アテシュ殺害後沈黙したMHP執行部、バフチェリ党首の顧問沈黙を破る

2023年01月09日付 Cumhuriyet 紙

民族主義者行動党(MHP)デブレット・バフチェリ党首の顧問であるユルドゥライ・チチェキ氏は、スィナン・アテシュ殺害のヒットマンであるエライ・オズヤージュをバイクで犯行現場まで送ったヴェダト・バルカヤが共和人民党支持者であると主張した。クルチダルオール共和人民党党首に向けてチチェキ顧問は、「あるいは共和人民党支持者のヴェダト・バルカヤが使用したバイクのガソリンをあなたが満タンにしたのか。政治の弱者よ。」と述べた。

「理想の炉端」の元代表であるスィナン・アテシュ氏がアンカラで襲撃にあい死亡した事件に関して、MHP執行部は約10日間沈黙を続けていた。これは、同党のデブレット・バフチェリ党首のユルドゥライ・チチェキ顧問によって破られた。

チチェキ顧問は、MHP寄りのテュルクギュン紙で事件に関して執筆し、「複雑な殺人から票集めと下劣な暗示」という見出し記事で事件の犯人の関係性を指摘した。その中で2人の特別機動警察が逮捕者の中にいたと書き、「この関係性の網をご覧なさい。あらゆる方向から解明すべき事件である。」と述べた。

チチェキ顧問は、バフチェリ党首が事件について沈黙していたことを、次のように説明しようと努めた。「実際に、関係性の網を見ると、この事件の解明をMHPのバフチェリ党首が最も望んでいる。忍耐と常識の範囲内で事件の背後が完全に解明されるのを待っている。MHPの会派会議で[党首が]『しかし、誰も私たちの忍耐を間違って捉えないでほしい。誰も当事者としての沈黙から憶測を逞しくしないでほしい。』という形で与えたメッセージを、こうした忍耐と常識の範囲内で待機しているものと評価可能である。」

■クルチダルオール党首に対して「ガソリンをあなたが満タンにしたのか」

チチェキ顧問は、言葉を続け、事件に関してバフチェリ党首に向け「引き渡しなさい。あなたの関係者を」と声をあげた共和人民党のケマル・クルチダルオール党首を標的にした。チチェキ顧問は、ヒットマンであるエライ・オズヤージュをバイクで事件現場に送ったヴェダト・バルカヤが共和人民党とクルチダルオール党首を支持するツィートを投稿していたことが明らかになったと述べ、「あなたの『引き渡しなさい。あなたの関係者を』という形の無価値なツィートに対して、私たちも『ヴェダト・バルカヤはヒットマンを共和人民党党本部に送ったのか。』と質問したい。さもなければ、共和人民党支持者のヴェダト・バルカヤが使ったバイクのガソリンをあなたが満タンにしたのか。政治の弱者よ。」と共和人民党党首を標的にした。

MHPのチチェキ顧問は、事件に関する矢をクルチダルオール党首に向ける中で「アメリカの政策に従属するケマル・クルチダルオールが『選挙前に政治的な殺人を懸念している。』と述べる際に、もしかして知っていることがあったのか。」と述べた。

事件に関して善良党も標的としたチチェキ顧問は、「事件を票集めに変えようと努める政党のメラル・アクシェネル党首の『[アテシュ氏]家族の特別な要望があった。質問主意書、調査の申し立てがなされないようにと[妻の]アイシェ・アテシュ氏から要望があった。』との表現は、恐らくは何かに気付いている家族のメッセージとして解釈できる。事件の表と裏、理由と意図、殺人の際に役割のあった人々の状態が解明された際に、恐らく今日口を閉ざしている人々が明日には話し、今日話している人々が明日には口を閉じるだろう。」と書いた。

(注)「理想の炉端」元代表のスィナン・アテシュは、2022年12月30日にアンカラ市チャンカヤ区クズルウルマック地区で建物を出てきたところ、オートバイで近づいて来た二人組に銃撃をうけ搬送先の病院で亡くなった。捜査の中で17名が容疑者として浮かび、13名が既に逮捕されている。この中にはMHPイスタンブル県党執行部メンバーのウフク・キョクテュルク、特別機動警察のムラト・ジャン・チョラク、アシュクン・メルト・ゲレンベイなどがいる。


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翻訳者:新井慧
記事ID:54786