最大被害のハタイ、建築と検査の区分けが正常にされていなかった

2023年02月14日付 Cumhuriyet 紙

ハタイ県の中心部で事業を展開している5つの建築検査会社のオーナーが建設業も営んでいたことがわかった。AKP(公正発展党)のオズドシェメジ氏が所有する建築検査会社が入居する建物も地震で倒壊した。

トルコを襲ったカフラマンマラシュを震源とする地震で、建物の倒壊の被害が最も大きい地域のひとつのハタイ県にある数社の建築検査会社のオーナーは、同時に工事請負業者や建設業者のオーナーでもあった。民間の建築検査会社は、一つの建設の始まりから終わりまでの行程において、土地の所有者に代わって建設作業を、つまり工事の請負業者を監視する会社として、事業を行っている。建築検査と、建築請負業の区分けが正常に行われていなかったハタイ県では、県の中心部で事業を展開している5つの建築検査会社のすべてのオーナーが、直接的もしくは間接的に建設作業に関わっていたことが、公的登録を調べている中で明らかとなった。

■建設も検査も

ハタイエリート建築検査社のオーナーのハミト・ヤルッカヤ氏は、同時に、同地域で建設を行うHYエーゲエンジニアリング社のオーナーでもある。ハタイ県で最もよく知られているデザイン建築検査社という会社のオーナーのシャハプ・ハルプトル氏の兄であるイブラヒム・ハルプトル氏もまた、自身の名を掲げた建設会社で工事を請け負っている。商業登録で前のほうに出てくる、同地域で最も古い建築検査会社は、ハタイ建築検査株式会社である。この会社には2人の共同経営者がおり、このうちの一人はサミム・オヌル・オズデミル氏、もう一人はエルダル・カラカヤ氏である。この2人は、オズデミル建築エンジニア商事株式会社でも建築の事業を行っている。

ジェミルオール建築検査社の所有者の一人であるヴォルカン・オメル・ギョチェリ氏には自身の名字を掲げた建築エンジニアの会社がある。ギョチェリ氏は7月に建築検査会社の株式をエセル・エキンジオール氏へ譲渡していた。エキンジオール氏の共同経営者であるビュレント・メンケという人物もメンケエンジニアリングという名のある建設会社のオーナーとしてハタイで建物の建設と補強工事を行っている。2人の名はどちらもまた、モザイク建築検査社という名の検査会社の名簿にも載っている。

ハタイ県の大きな建築検査会社の一つがチャーダシュ・フェン建築検査社だ。この会社のオーナーらは、エディプ・タリプオール、エディプ・レジェプオール、カディル・アテシュである。会社の所有者のうち、エディプ・レジェプオールは建築検査会社を設立する前、2007年までハタイで建設業を行っていたようだ。

■AKP議員が所属する建築検査会社が入る建物も倒壊

カフラマンマラシュのオンイキシュバット(2月12日)郡のAKP青年部長ならびに建築検査機構連合協会カフラマンマラシュ支部長であるジェミル・トゥールル・オズドシェメジ氏がオーナーを務めるBCEセキュリティ建築検査株式会社が入居するセチキンレルアパートも地震で倒壊した。オズドシェメジ氏は2020年に受けたインタビューで「地震については冷静になるべきだ。」と話していた。地震について、オズドシェメジ氏は、自身の意見を以下のように語っていた。「地震は我々の国の、世界の現実である。研究者たちはカフラマンマラシュで大きな地震が起こることを想定しているが、誰もこれがいつ起こるかは予想できない。[地震で倒壊せずに]残った建物については、建物を補強しよう、もしくは新しい建物を建設しよう、地震のあとに住民たちをここに移り住ませよう、とはならないはずだ。地震については、予防策を講じようとしている私たち適任者と連携する以外に選択肢はない。カフラマンマラシュのどの地域[の土地]がより[地震に]弱いのかを知るために、必要な土壌調査と建築テストを実施するべきである。」


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翻訳者:大畠梨紗子
記事ID:55027