国際問題専門家ラフマーン・ガフレマーンプール氏が本紙インタビューで説明 イランとサウジアラビアの合意の世界的影響(1)

2023年03月12日付 Hamshahri 紙

〜域内での米国の地位が揺らいでいるのか?/域内諸国の対米政策変化の時/JCPOAとは無関係の合意〜

 国際問題専門家のラフマーン・ガフレマーンプール氏は、中国が米国に取って代わると言うのは時期尚早であり、中国自身にそうした動機や関心はなく、また地域の現状においてそのようなことはあり得ないと考えている。

【本紙−ファターネ・アハディー】イランとサウジアラビアの合意の後、多くの人々がこの二国間関係を超えたレベルでの様々な分析を行っている。米国やその他の国々の行動を考察し、それらの国々の外交的及び政治的行動を批判するといった具合だ。(中東)地域における米国の敗北も含め、ラフマーン・ガフレマーンプール氏によれば、諸国の外交行動及びその国際政策は諸国の内政やこうした分析を超えているという。

 一方で地域における中国の政治的覇権についても多くの分析がなされているが、この国際問題分析者はそのような結論付けは時期尚早だと述べている。以下は国際問題専門家のラフマーン・ガフレマーンプール氏への本紙インタビューである。


−イランとサウジアラビアの合意を受け、一部の人々は米国が敗北を喫したと考えていますが、あなたの考えではなぜ米国は敗北を喫したのでしょうか。

 国際的政治というゲームは、実際のところゼロサムゲームではありません。ある出来事や合意やゲームがゼロサムになると諸国が認識しているならば、諸国はそのゲームには参加しません。

 まず、米国とイランの間で敗北あるいは勝利したと言えるような出来事は起きていません。したがってこの問題に米国を関連付けるには、中東の視点から見る必要があるのです。
 そして、「この合意は中東における米国の地位に打撃を与えているのか?」という問いが立てられるべきです。その場合には、米国がオバマ政権期の2012年から国家安全保障戦略計画の中でアジアへの戦略転換を行うと明白に主張していた事実を鑑みて発言することができます。トランプ政権やバイデン政権でも同政策方針を続け、米国が中東での自国のプレゼンスを弱めようとしているため、必ずしも米国がこの合意で打撃を受けるとは言えません。

 しかし中東における中国のプレゼンスと同国の果たす役割は、中東の方程式における米国の優位な地位に波紋を起こすことは明らかであり、我々はそれが起こるのか見ておく必要があるのです。

 最後のポイントは、内政に関する文献では国際政治をうまく分析できないということです。すなわち、現在米国内では一部の人は米国が損害を被ったと考え、また一部の人は逆のことを言っています。イランでも同様です。閉鎖的環境でこうした問題が報道されないサウジアラビアでも同様です。イスラエルにおいてもそのような政治的及び派閥的議論が存在します。


−今回の合意や同様の出来事は、JCPOA再建協議の中でも起こる可能性はありますか?あるいは、こうした出来事は中国の圧力によるものであり、外交問題に関してそのような期待を抱くことはできないのでしょうか?

 JCPOAはイランとサウジアラビアの関係とは異なるものです。すなわち、問題のレベルが異なり、さらに複雑でもあるということです。JCPOAは大国レベルの問題であり、また軍備管理や国際安全保障にかかわる問題です。

 イランとサウジアラビアの関係は地域レベルの問題であり、二国間関係にかかわるもので、クウェートやUAE、オマーンなど一部のアラブ諸国には直接的影響が及びます。
 したがって、イランとサウジアラビアの関係が正常化したからJCPOA再建のための土台が整った、と科学的見地から結論付けることは基本的にできません。この二つに関連はないのです。
 もちろん、サウジアラビアはイランの核計画に反対し批判してきた国の一つであり、JCPOAにおいても、なぜサウジアラビアを交渉の席に呼ばないのかと米国を批判しています。しかしまさにそうした中で、サウジアラビアの反対にもかかわらず、JCPOAという核合意が締結されました。したがって、この二つの問題には必ずしも直接的関係や多大な関係があるとは言えません。

−(2)に続く−


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翻訳者:OK
記事ID:55232