共和国で建設された初の教会、間もなく開所

2023年03月17日付 Hurriyet 紙

イェシルキョイに建設されたシリア正教聖エフレム教会は、共和国建国後初めて造られたキリスト教会で、そのすべての建設工程と細かな内装作業が終了した。

イスタンブルシリア正教財団トップのサイト・ススィン氏は、「教会をほぼ完成させており、細かな仕事も終わりを迎え開所の準備ができています。大統領は2019年に起工式に出席されました。これは私たちにとって大変な栄誉です。開所式にお越しいただければ有難く思います。お知らせを待っています」と話した。

2019年に行われた起工式にはレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が参加し、共和国初の教会となるシリア正教聖エフレム教会は、開所に向けて全ての準備が完了した。イェシルキョイにある5階建ての教会で、礼拝所の他に、信徒が洗礼式、結婚式、お悔やみなどの式典のために集まるホールや、2階建て駐車場、聖職者の部屋、客室、そしてマルマラ海を見下ろすテラス内に鐘楼がある。
内装の大部分に大理石が使われ、窓には装飾ガラスが使われ、扉にはキリスト教をモチーフにした木製の彫刻が施された。入口の大ホールの祭壇部分の向かいにはシリア正教の聖人たち、「聖エフレム」と「スルチの聖ヤコブ」の絵がはめこまれたガラス窓がある。約2500平方メートルの敷地内で700平方メートルを占めるこの建物には、700人分の座席エリアと、計約1500人が礼拝できるエリアがある。

■「開所準備はできています」

教会の建設活動が終了したと述べるイスタンブルシリア正教財団トップのサイト・ススィン氏は、次のように語った。「教会はほぼ完成しました。細かな仕事も終わりを迎え、開所準備はできています。細かな仕事というのは、我々シリア正教の特徴のことです。教会に彫刻はなく、絵画も多くはありません。教会の特徴は石造りであることです。シリア正教徒の中には優れた石造りの職人がいます。もちろんここでは、南東部や中東で使われる軟石が使用されることはありませんでした。ここから分かるように、シンプルな作りであり、数名の聖人の絵画だけがあります。この教会の名前の由来である聖人「聖エフレム」の絵画もあります。彼はキリスト教の全ての宗派に認められ、300年代に生きたとされ数多くの作品を残しました。彼はシリア正教徒とその歴史にとって重要な聖人です。「聖ヤコブ」も同様で、この2人の聖人の絵が教会内にあります。」

■「古今東西を現代に適合させるというコンセプト」

ススィン氏は教会の構造の特徴について説明した。「私たちの修道院と教会の大多数は南東アナトリア地域にあります。もちろんこれらの多くは築500年、1000年の教会です。ここで2千年前の教会を建設するという選択肢はありませんでした。我々は今の時代を反映し、シリア教会の特徴を持つ教会であることを望みました。これを反映して、ご覧のように3つの祭壇とカーテンがあります。これはシリア教会の、より正しくは東方教会共通の特徴です。古今東西の教会を、現代に適合させるというコンセプトを設定しました。独自の特徴を持っています。一か所だけを見て、ひとつの教会を例にして作ったものではありません。これは私たちのあらゆるニーズを満たすもので、2500平方キロメートルの敷地に700平方キロメートルを利用し建てられた教会です。ここは以前は墓地で、前方に墓がありました。墓地の空いている場所に建設されました。全ての墓は保全・登録されています。古いチャペルもありましたが、改修されました。地下2階の駐車場があり1階上には文化ホール、入り口には教会ホール、最上階にはテラスと事務局、客室があります。テラスからはアタテュルク空港とマルマラ海が見えます。」

■「イスタンブルに住む約1万7千人のシリア正教徒が祈りをささげるだろう」

「ここには府主教と司祭のみがいます。府主教はイスタンブル、イズミル、アンカラを管轄します。「聖フィリクシノス」はユスフ・チャティン氏で、彼はこに常駐し、ベイオール地区のタルラバシュにある本部は現在の状態で存続します。トルコには2万5千人のシリア正教徒が住んでいます。この内約1万7千人がイスタンブルとイェシルキョイ、バクルキョイ、フロルヤ地域に住んでいます。私たちは何年も姉妹教会や信徒の教会を利用してきましたが、私たち自身の教会を持つ必要がありました。私たちの教会には独自の特徴があり、姉妹教会の儀式の違いや収容人数が私たちには不十分であることが問題でした。」

■大統領の意思がなければ、この教会を建てるのは難しかった

「当時首相であられたレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領へ私たちの状況を伝え、私たちに場所を割り当てるよう依頼しました。彼は故カーディル・トプバシュ・イスタンブル市長に指示を与えました。10年の長い道のりの最後が地震と重なり、苦い幸福となりました。そこにいる人々のことを思うと、私たちの喜びはどうあっても苦い喜びに変わります。敬愛する大統領は2019年の起工式に出席されました。開所式にも参加されることになっていました。これは私たちにとって大きな名誉です。大統領の意思がなければ、この教会を建てることは少し難しかったでしょう。私たちも知らせを待っており、大統領が開所式にお越しくだされば有難く思います。」


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翻訳者:小鉄礼子
記事ID:55246