「うっかりミス」発表でさらに混乱、エルドアンの大卒証明

2023年03月26日付 Cumhuriyet 紙

公正発展党(AKP)のレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領の「疑惑の大学卒業証書」に関する説明は止まる所を知らない。マルマラ大学学長室は、同大学の以前の発表で、誤って440-687号と発表されたが、同大学の記録では440-678号と登録されている仮卒業証書は、エルドアン大統領に渡され、後に卒業証書の交付時に返却された写しだと説明した。イブラヒム・カルン大統領府報道官は、出演した生放送で「こういった動きは政治のレベルを下げる」と述べた。

高等選挙委員会(YSK)が、大統領選挙候補に立候補した新福祉党のファーティフ・エルバカン党首から高等教育を修了したことを証明する卒業証書の写しを求めたことで、エルドアン大統領の「疑惑の卒業証書」が再び話題となった。9年もの間捜索されているエルドアン大統領の卒業証書について、ユスフ・ズィヤ・オズジャン元高等教育機構(YÖK)機構長の「調べたが見つからなかった」という発言が話題に上った。

マルマラ大学からエルドアン大統領の疑惑の卒業証書に関する声明が発表された。エルドアン大統領は1974年に大学共通選考試験を受験し、その後、正式な結果通知書によりイスタンブル大学経済・商業科学アカデミー付属の4年制のアクサライ経済・商業科学学校への入学資格を得て、同年に学籍番号2443として同学校に正式に入学したとされている。

声明では、1980~1981年度に受講した科目全ての単位を取得し、1981年2月に全課程を修了したことが強調され、「本人の申請により、1981年4月3日に学部長の署名によって発行された440-687号の「仮卒業証書」が本人に交付された。現在、同校は商業科学学部に改編されたため、エルドアン大統領の卒業は、他の卒業と同様に商業科学学部に登録されている」と述べられた。

大学の声明に続いて、通信庁偽情報対策センターが動いて、エルドアン大統領の卒業証書に関する文書を公開した。公開された文書には、エルドアン大統領の氏名が記載された卒業証書台帳、エルドアン大統領自筆の卒業証書交付申請書、大学の試験結果、仮卒業証書が含まれていた。

■大学から新たな声明

マルマラ大学は、エルドアン大統領の卒業に関する新たな声明を発表した。

マルマラ大学学長室は、同大学の以前の発表で、誤って440-687号と発表されたが、同大学の記録では440-678号と登録されている仮卒業証書は、エルドアン大統領に渡され、後に大学卒業証書の交付時に返却された写しだと説明した。

学長室からの書面の声明では、大統領府通信庁が公開した440-677号の文書は、エルドアン大統領に仮卒業証書が交付されたことに関する自筆署名が入った仮卒業証書の原本であると述べられている。

■カルン報道官、生放送で発言

ついに、イブラヒム・カルン大統領府報道官がNTVの生放送でこの問題について発言した。カルン報道官は、「この問題は選挙の時期になると毎回出てくる」と述べ、次のように話した。

「この問題は、選挙の時期になると毎回登場する。答弁がされたとしても、問題に持ち上げる者がいる。これだけ情報や文書が公開されたのに、なお議論されているということは、もし政治的な思惑でやっているのであれば、政治的損失である。ここから消耗政治をやっていこう、国民の心に疑念を抱かせられるかどうか、といった意図で動いているのであれば、情報や文書は明らかであり、マルマラ大学も声明を出している、通信庁も声明を出している。こういった動きが政治のレベルを下げている。」


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翻訳者:安井 悠
記事ID:55303