シリア:東京外国語大学元客員教授のワフィーク・ハンサ氏がラタキアで死去

2024年01月09日付 その他 - al-Thawra 紙

■ワフィーク・ハンサ氏よ、さらば

【ダマスカス:本紙】

文壇はワフィーク・ハンサ氏を失った。アラブ作家連合ラタキア支部は彼を悼み、支部長のマムドゥーフ・ラーイカ氏はこう述べた――故人は、深淵な文人としての経験、燃え盛る知性、純朴な思想、深い洞察力を兼ね備えた特筆すべき存在だった。近代に独自の痕跡を残した詩人で、文学作品を奥底まで掘り下げ、隠された内容を探求できた深淵なる批評家だった。

また、アラブ作家連合(ラタキア支部)会員で作家のムハンマド・ハムダーン氏は次のように述べた。故ハンサ氏は雄弁な作家にして詩人だっただけでなく、創造的な批評を展開する純朴で客観的な批評家でもあった。彼は、新たな批評の潮流を切り開いた先駆者の1人であり、アラブ文化を日本文学に伝えることに貢献した。

略歴

1946年、ラタキアで生まれる。
哲学学士。
ラタキアの高校で教鞭をとり、東京外国語の客員教授を務める(1986~1990年)。
シリアおよびアラブ諸国の新聞や雑誌で著作が掲載される。
詩学会会員。

主著

1. 『現在という不調和な兆候』(詩)、ダマスカス、1970年
2. 『あなたの目のなかに私がなりたいものがある』(詩)、ダマスカス、1978年
3. 『桑の木の物語』(童話)、ダマスカス、1979年
4. 『現代詩の研究』(批評)、1981年
5. 『残り火』(詩)、1984年
6. 『詩における近代性の論争』(批評)、1985年
7. 『幼少期の歌』(童謡)、1986年
8. 『怪談』(翻訳)、1992年
9. 『仮面をめぐる議論』(物語)、1992年
10. 『事実と運命:ハサン・サクル文学研究』(批評)、1994年
11. 『日本人の性格』(研究)、1994年
12. 『狂気の冬』(詩)


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翻訳者:青山弘之
記事ID:55384