6棟倒壊で370人の死を招いた建築業者、行方不明-ハタイ

2023年04月23日付 Hurriyet 紙

ハタイの地震で370人が亡くなったエムラクバンク住宅1区で、妻子とともに助かったものの両親を亡くした弁護士のメフメト・アルペル・ネシェリさん(38)は、逮捕状が出ている施工業者のメフメト・オザトに速やかに自首するよう呼びかけた。ネシェリさんは、「良心がある人間ならどうして自首しないのか?たとえ何の罪もなくても、出頭して『私は無罪です』と言って弁明すればいいだろうに」と述べた。

2月6日に発生したカフラマンマラシュを震源とする地震で、アンタキヤ郡ジェブライル地区にあるエムラクバンク住宅1区の96戸からなるブロック棟6棟が倒壊した。約400人が住んでいたとみられるブロック棟のがれきからは370人の遺体が見つかった。弁護士のメフメト・アルペル・ネシェリさんと2歳半の子ども、妻は負傷しつつもがれきから救出されたが、向かいのブロック棟に住んでいた母エミネさん(68)と父ハイレッティン・ネシェリさん(74)は亡くなった。倒壊したブロック棟のすぐ向かいにある、同じ業者が施工したエムラクバンク住宅2区の建物は倒壊しなかったものの、大きな被害を受けた。メフメト・アルペル・ネシェリさんは責任者の処罰を求め、告発した。住宅の施工業者であるメフメト・オザトに対し、逮捕状が発付された。指名手配中のオザトは見つかっていない。ネシェリさんは、逃亡中のオザトに自首するよう呼びかけた。

■「現在、司法手続きは遅々として進まず」

弁護士のメフメト・アルペル・ネシェリさんは、倒壊した住宅は1996年に建設されたとし、品質の悪い材料が使われたと主張した。ネシェリさんは、同じ施工業者が1年半後に向かいに建てた建物にはより品質の良い材料が使われたと説明し、次のように話した。「向かいのブロック棟10棟は一つも倒壊しませんでした。幸いにも、そこに住む人たちは助かりましたが、私たちの第一期の建物は一つも残りませんでした。地震発生から15秒目にはすべてのブロック棟が倒壊しました。施工業者は今も見つかっていません。自分の財力を頼りにどうにか隠れているのです。建物からコア採取、証拠収集が行われました。現在、司法手続きは進みが遅いです。遠からず、その他責任者、プロジェクトにサインをした人物全員の名前が明らかになるでしょう。地震はハタイ全域に大きな被害をもたらしたため、現時点では資料に簡単にアクセスすることができません。」

■「挨拶する人は誰もいなくなった」

何十人もの人が犠牲となった住宅で、幼少期を過ごしたというメフメト・アルペル・ネシェリさんは、次のように続けた。

「施工業者は良心を何も感じていなかったのだと思います。というのは良心があれば、住宅を建てる時にしっかりと責任を持って仕事をしたはずですから。法的にも逃げているので、良心がないことはすでに明らかです。私たちはこの住宅に引っ越してきた最初の家族です。信頼できると感じた住宅だったので、結婚してからもこの住宅から家を購入し、引っ越しました。26年間ここに住んでいます。同じ施工業者の建物が多数倒壊しましたが、本人は行方不明です。母と父を亡くしました。隣人や愛する人たちを亡くしました。挨拶する人はいなくなってしまいました。隣や向かいのブロック棟はそのまま残っているのに、この建物は倒壊しました。ここは見つかった遺体も一体で運び出すことができないほど、ひどい工事で建てられていました。この不正の責任者は誰か?まず施工業者です。その他責任者も近々明らかになるでしょう。彼らはここから得た金で素晴らしい生活を送り、別のビジネスを立ち上げています。良心を持った人間ならどうして自首しないのでしょうか?たとえ何の罪もなくても、出頭して『私は無罪です』と言って弁明し、使った材料を公表すればいいのに、当事者は行方不明です。」


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:安井 悠
記事ID:55473