ウクライナ情勢:中東諸国に対し、F16戦闘機の供与を求める可能性(2)

2023年05月20日付 al-Quds al-Arabi 紙

■中東諸国に対し米国は、F-16戦闘機の提供を要請するだろうか?またロシアはどう反応するか?

【ロンドン:本紙、フセイン・マジュドゥービー】


この点に関して、一部の欧州諸国はウクライナに対するF-16戦闘機の供与を望んでいるにもかかわらず、米国が武器取引において設定した条件に基づき米国政府の承認を必要とする。この条件とは、それを無視して武器供給を行わないと規定するものである。そして、この米国の承認こそが昨日金曜(19日)、日本で開催されたG7サミットの中で、アメリカのジョー・バイデン大統領によって発表されたことだ。

中東諸国は欧州よりもはるかに高い割合でこの戦闘機を所有しているというパラドクスを残している。というのも、ポーランド、ベルギー、オランダなどの国におけるF-16戦闘機の総数が160機未満である一方、トルコは220機以上、同様にエジプトとイスラエルは300機以上、UAEと同等の80機を所有するパキスタン、さらに40機を所有するヨルダンのような国もあるのだ。

そして、中東諸国に対し、F-16戦闘機をウクライナへ供与するよう説得しようとする議論がある。エジプトやトルコ、さらにはヨルダンやバーレーン、UAEでさえ、80年代に遡る古いシステムでF16が運用されていることを鑑みると、このプロセスには時間がかかる。また、トルコ政府と米国政府との間に緊張が予想されている。これは、後者がトルコ空軍のF16の近代化を拒否、あるいは遅らせたためである。軍事専門サイト「ギャラクシア・ミリタリー」によると、中東諸国に対し、この難しい任務を遂行するよう説得する動きがあるかもしれないとのことである。

(後略)

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翻訳者:笠井野乃果
記事ID:55655