スウェーデンNATO加盟交渉、大詰め―スウェーデン元外相「トルコの求めは当然」

2023年07月07日付 Hurriyet 紙

トルコがスウェーデン問題に対しどのように踏み切るか、世界が注目している。NATO入りへの希望がトルコの決断にかかっているスウェーデンに、ドイツから悪い知らせが届いた。ドイツのメディア連合(RND)は、「トルコはなぜ未だに加盟を阻止しているのか?」という問いの答えを探り、スウェーデン加盟の望みを絶やす一つの結論にたどり着いた。トルコに関するスウェーデンのリンデ元外相の発言は、スウェーデン国内の論争に爆弾のように落下した。

スウェーデンとは対照的にトルコの要望を実行したフィンランドがNATOに加盟した際に、スウェーデンのその態度は変わり始めた。スウェーデンはついに、テロ組織支持者に実刑を科すことを見込んだ法律を承認した。6月1日に施行された同法により、テロ組織の活動を促し、強化し、あるいは支援した者には4年以下の実刑判決を科すことが決まった。同法をもってトルコの要望を実行したとしたスウェーデンに、ドイツから悪い知らせが届いた。

ドイツのメディア連合は「NATOサミット前のスウェーデン:トルコはなぜ未だに加盟を阻止しているのか?」と題した分析記事を著した。「スウェーデンがNATOに加盟するには、正式な手続きさえ踏んでいればよかった。だが、トルコとハンガリーの拒否権により未だに宙に浮いたままである」と述べたRNDは、次のように評価した。

「アンカラによると、ストックホルム政府はスウェーデンがクルディスタン労働者党(PKK)支持者らに対し十分な対策を取っていない。ストックホルムに向けたエルドアンの発言後、ビリニュス・サミットでスウェーデンがNATOに加盟する可能性は少しも高まっていない。」

■ハンガリーはトルコを支持

もう一つのNATO加盟国ハンガリーがトルコと共に行動していることに注意を引いたRNDは、「エルドアンは、未だに加盟を承認していないハンガリーのオルバン・ヴィクトル首相から支持されている」とした。

ロシアの近隣国であるフィンランドともう一つの北欧国であるスウェーデンがNATO未加盟であることについては長く警鐘が鳴らされてきた。しかしながら、プーチンの指令によりウクライナで始まった戦争の後、モスクワの計画は、いわば逆方向に進んでいる状況だ。ウクライナ占拠後、スウェーデンとフィンランドはNATOに加盟申請を行っているからだ。スウェーデンとは対照的にトルコの要望に対応したフィンランドはNATOに加盟した…。

RNDは、NATO加盟に向けて、スウェーデンが来週のNATOサミットの開催を待っているとし、「スウェーデンの受け入れは、サミット後に可能になる」と述べた。

ドイツのRNDは次のように報じた。

「スウェーデンがサミットで驚くべき形でNATOに受け入れられることは、実際のところもはやあり得ない。エルドアンとオルバンがスウェーデンのNATO加盟を承認するためには、両国内議会での承認が必要だ。」

また別のドイツメディア連合ZDFは「スウェーデンは、トルコが何を求めているのかわかっていない」という見出しを読者に提示した。

「スウェーデンは未だアンカラがNATO加盟に頷くのを待っている」としたZDFは、両国が交渉を続けていることに注意を引き、スウェーデンの安全保障の専門家エンゲルブレクト氏が交渉失敗はスウェーデンとNATOにとって問題となると明かした、と報じた。

N-TVスウェーデンは、NATOのストルテンベルグ事務総長とアメリカのバイデン大統領の支持を得ていることに触れたが、このことが加盟に十分ではないと強調した。

「ストルテンベルグは調停役を務めようとしている」とした南ドイツ紙は、「トルコは、スウェーデンがNATOに加盟するのを拒み続けている」と述べた。

ドイツ紙は「サミット前にトルコのエルドアン大統領とスウェーデンのクリステション首相とによるトップ会談が問題を解決しうる」と述べた。

テロ組織の人民防衛隊(YPG)とPKKの支持者アミネ・カカバベは、当時のスウェーデン外相アン・リンデ氏についてフィンランドとトルコと共に署名した共同覚書を根拠に憲法委員会に告発を行った…。

■スウェーデンの大臣:エルドアン氏を理解

スウェーデンのNATO加盟プロセスを解説したSTVの新しいドキュメンタリーの中で、元外相アン・リンデ氏はエルドアンがスウェーデンの加盟申請に反対するのは理解できると述べた。

元外相は「トルコのPKKがスウェーデンから資金を得ているという議論は当然のことだ。しかし、スウェーデンでは安全保障上の問題がないために、我々がこれを十分深刻に捉えていないとトルコの人々が考えるのもやはり理解できる」と述べた。

スウェーデンのNATO加盟プロセスを評価したリンデ元外相は、「我々がテロとの戦いを深刻に受け止めているのを示すよう[トルコ語側が]求めるのは真っ当である」と語った。

スウェーデンを拠点とするSTVニュースは、「ウルフ・クリステション首相が月曜日にエルドアン大統領と会談する際、加盟プロセスが一つの結論に至るかどうかはまだ不透明だ」とコメントした。


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翻訳者:関口ひなた
記事ID:55933