ゼレンスキー大統領イスタンブル訪問―エルドアン大統領との会談では何が話されたのか?

2023年07月08日付 Cumhuriyet 紙

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は戦争開始以来初となるトルコへの公式訪問を行い、AKP(公正発展党)のレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領と会談した。ゼレンスキー大統領はトルコに対して注目すべき声明を発表した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はAKPのレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領の招待を受け、トルコを訪問した。
エルドアン大統領はゼレンスキー大統領をヴァフデッティン宮で迎え入れた。2人の首脳は約2時間半にわたる会談を行ったのち、共同記者会見を開いた。

共同記者会見でゼレンスキー大統領は「私はここでウクライナとウクライナ国民のために平和を望む全ての人に感謝する。ウクライナの領土の保全と主権についての、トルコの変わらぬ支援に感謝を申し上げる。黒海穀物計画やウクライナが穀物の主導権を持つことについてのトルコの支援に感謝を申し上げる。トルコは今回の和平計画の枠組において、リーダーの役割を引き受ける用意がある。」と述べた。

ゼレンスキー大統領は「戦時、特にこの困難な時期にエルドアン大統領はウクライナを訪問して我々や私個人を支援してくれた。ウクライナとトルコはこの計画を共に実現できる。このような協力には国防産業面の協力や技術開発と同時に、無人航空機の生産とそのほかの戦略的分野が含まれる。」と付け加えた。

■「ウクライナはNATOに加入する権利がある」

エルドアン大統領はゼレンスキー大統領に向けて「無論ご存じのように、我々は何度も電話会談を行ったし、行っている。事態に対してトルコ・ウクライナ間の友好はあらゆる面でより強化された。(開戦から)500日目を迎える戦争で、ウクライナ国民は領土の保全と独立性を守っている。衝突の脅威が明らかになり始めた頃から、戦争防止のために我々は全力を尽くしてきた。」と述べた。

エルドアン大統領は「疑いようもなくウクライナはNATOに加入する権利がある。私が常に強く主張してきたことを、皆さんの前でこの機会に再度強調したい。公正な和平において敗者はいない。両者には理解の相違があるにせよ、一刻も早く和平の模索に立ち戻ることが我々の心からの望みだ。」と述べた。

エルドアン大統領はクリミア・タタール人がトルコ系だと強調し、以下のように続けた。
「ウクライナの未来を信念を持って注視する最も重要な理由の一つが、トルコ系であるクリミア・タタール人たちが祖国の解放のために懸命に戦っていることだ。我らが同胞の権利や法を保障し、自治権を強める努力をするゼレンスキー大統領に、もう一度感謝を述べる。」

■「プーチン大統領がトルコを訪問する」

捕虜交換について言及したエルドアン大統領は「トルコはロシア側とも協議している。私はこの件をプーチン大統領と協議した。そして来月、プーチン大統領のトルコ訪問が行われる。この件について再び対面で議論する可能性はある。しかしこの間に何度か電話会議を行うかたちでも、プーチン大統領とこの件を再び取り上げる。捕虜交換、これらの交換については我々の議題のなかでも優先事項の一つだ。」と述べた。


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:伊藤梓子
記事ID:55934