エジプト:医薬品市場の危機で慢性疾患用の薬が入手困難に

2023年07月10日付 al-Quds al-Arabi 紙
■エジプト人の生活を脅かす医薬品市場の危機...慢性疾患の治療薬の消滅

【カイロ:本紙、ターミル・ヒンダーウィー】

エジプト人は毎日薬探しの過酷な旅に出ている。特に慢性疾患を有する人々が必要としている医薬品を探している。
 
必需品のほとんどを輸入に大きく依存している国では、経済危機と外貨不足が医薬品市場に影を落としている。種々の医薬品が消滅し、その他の商品は値上がりする中で、エジプト国民は健康に直結する危機に直面している。
 
甲状腺疾患を有するハイヤーム・アーディル氏は、一か月以上薬を入手することが出来なかった。

彼女は本紙に対して、数週間前から甲状腺疾患に効果のある「エルトロキシン」という薬を探していると話した。価格は、エジプト製の薬の場合は70ポンド(約2.5ドル)であるが入手困難な状況であり、一方外国製の薬の場合は775ポンドから990ポンド(約30ドル)である。

そして、彼女は入手可能な外国の医薬品を購入できない経済力について語り、何万人もの甲状腺疾患を有している人々が医薬品の消滅に苦しんでいると強調した。

また同時に、がん、甲状腺疾患、心臓病の治療薬の提供を求める声がソーシャルメディアに現れた。

そのひとつが「投薬の権利」センターの代表、マフムード・ファード氏が訴えたものである。彼は「公費で心臓に関連する手術を受けた患者は、心筋症治療に効果のある薬(エンレスト)の輸入を待っている」と話した。

(後略)


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翻訳者:久木田麗磨
記事ID:55963