地下組織のペケルが言及のボドルム・パラマウントホテルの増築、承認

2023年07月16日付 Cumhuriyet 紙

環境省は、組織犯罪集団の首領セダト・ペケルが言及したことで話題となったパラマウントホテルの2万6000平方メートルの増築を承認した。

ボドルムのトルバ地区に位置し、パラマウントホテルとして知られている、現名称「ビープレミアム」というホテルの増築申請が承認された。

ビルギュン紙のアイジャン・カラダー氏の報道によれば、Unico保険という会社がホテル増築のため2020年に環境都市気候変動省に環境アセスメント(EIA)の申請をしたが、同省からの認可を得られなかった。

同社は、2022年3月21日に「観光宿泊施設(ビープレミアム・ボドルムホテル)プロジェクト」の枠内でEIAを再申請した。環境省は、2023年7月14日に「EIAは不要」という判断を下した。

■森林と2級自然保護区

現在、7万5000平方メートルの森林地に建つホテルは、約2万6000平方メートル増築される。増築申請エリアは国が保有する森林地内かつ2級自然保護区内に位置する。ホテル周辺には遺跡が残存する。

プロジェクトの枠組みで、客室数は98室から315室に増室される予定だ。プロジェクトの予算見積もりは600万トルコリラ。

■元はセズギン・バラン・コルクマズの会社

ホテルの敷地は、林業治水庁によって49年間の期限でウフク観光事業産業貿易株式会社に配分された。敷地の使用権は、環境省の判断でUnico保険に売却された。Unico保険は、もとは「ブラックマネー」容疑でトルコ国内で捜査が行われ、逮捕状が出る前に国外逃亡したセズギン・バラン・コルクマズが所有していた。

2022年に起訴される直前に、コルクマズが会社の経営陣を交代させたことが明らかになった。ジャン・ナフム氏が取締役会会長、チャーラル・シェンディル氏が副会長になった。両氏はコルクマズと親密な人物として知られている。

■ペケルが話題にした

パラマウントホテルは、組織犯罪集団の首領セダト・ペケルが2021年に公開した動画で話題となった。ペケルは、これらの動画で同ホテルに宿泊した人物について告発した。

それによれば、ヴェイス・アテシュをはじめとした多数のジャーナリスト、司法関係者、官僚が無料で宿泊していた。ペケルは、セズギン・バラン・コルクマズがホテルを「分捕った」と主張した。

一方、ホテルの最初のオーナーであるアッティラ・ウラス氏は、ホテルが建っている不動産の所有者であるウフク観光の全株式を、売買契約にもとづき2017年9月7日にFinsolventという会社に譲渡していた。

ウラス氏の娘ヴィクトリア・ヤセミン・ウラス氏は、自身が相続人となっているウフク観光の株式がFinsolvent社に譲渡されたことに対し、株式譲渡代金が支払われていないと述べ、訴訟を起こした。

ウラス氏の訴えを認めたイスタンブル商事裁判所は、1540万ドルの支払い判決を下したが、支払いがされなかったため差し押さえ命令を出した。ヴィクトリア・ヤセミン・ウラス氏は、EKBAホールディング取締役会会長のジハン・エクシオール氏について、「父が亡くなった日、彼は政府の戦車でホテルに乗り込んできた」と主張した。


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翻訳者:安井 悠
記事ID:56002