中国王毅外相、トルコ訪問

2023年07月28日付 Cumhuriyet 紙
中国共産党中央委員会政治局のメンバーであり中央外事工作委員会弁公室主任・外務大臣を兼任する王毅氏が、先日フィダン外相・エルドアン大統領を訪問した。バルセロナ自治大学東アジア研究センターのジェレン・エルゲンチ准教授が当紙にコメントし「経済危機に際しての支援を求めている」と述べた。

中国共産党中央委員会政治局のメンバーであり中央外事工作委員会弁公室主任・外務大臣を兼任する王毅氏が、先日ハカン・フィダン外相、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領と会談した後、トルコ・中国関係が議題に上った。バルセロナ自治大学東アジア研究センターのジェレン・エルゲンチ准教授は、トルコ・中国間の関係の現状について当紙にコメントした。
 
エルゲンチ氏は中国・トルコ間の関係の重要なポイントを説明し「トルコの視点では、政府内で現在の経済危機について以前のようにアラブ首長国連邦、中国などの国々からの経済支援を必要としており、それは一帯一路構想に沿って古い技術と環境に良くない投資の代わりに、トルコを現在拡大しているデジタル・グリーン市場に組み込む投資/工業セクターで中国がなしうる技術移転として特徴づけられる」と述べた。

一方、エルゲンチ氏は中国側の期待についても羅列し「ウイグル問題における強硬な姿勢、グローバルサウスと呼ばれる発展途上国における中国の取り組みと米国の両極的な態度に対抗する支援」と述べた。

エルゲンチ氏は「中国は、近いうちにトルコのBRICSまたは上海協力機構への参加を支援する予定ではないが、トルコのこの要求を認識していると明らかにしており、国際貿易におけるドルの覇権を打ち破り、アジア太平洋地域におけるNATOの存在に対抗するという要求は支援の見返りの例だ」と述べた。

■中国によるウイグル弾圧

エルゲンチ氏は、両国の関係にはウイグル問題が影響するとして次のように述べた。

「フィダン外相は、王外相との会談の後『トルコは中国の統治に悪影響を及ぼす活動を防止する』と述べた。これがウイグル問題に関連しており、この問題についてはトルコ政府から中国よりも中国政府からトルコ政府に対して圧力がかかっていると言える。トルコ政府と与党は、王外相の訪問前に野党議員によって要求された、ウイグル問題に関する大国民議会人権委員会による調査と同委員会による調査レポートの議会での報告をいずれも却下している。フィダン外相の発言が、トルコにおけるウイグル人のディアスポラにとってどのような意味を持つか、今後注視していく」

ヨーロッパ諸国の対中政策を米国の軸から離そうという試みが、トルコにおいてはどのように表れているかを問われたエルゲンチ氏は「ドイツ、フランス、そしてより小さな度合いではあるがスペインなどといった国々は、グローバル資本主義の未来を表すデジタル/グリーン・トランスフォーメーションにおいて中国と時に競い時に協力する、直接的かつ深い関係にある。この文脈で、これらのヨーロッパ諸国は米国が主張する工業生産網の完全な脱中国化の呼びかけに応じないことを表明しており、このことは世界のパワーバランスという観点で重要だ」と述べた。エルゲンチ氏は、これに対してトルコがデジタル・グリーン市場の生産網にまだ参入しようとしている段階だと付け加えた。


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翻訳者:神谷亮平
記事ID:56065