170万の児童生徒が通信教育で学ぶ―高校からの移行が進む

2023年08月13日付 Milliyet 紙

トルコでは初等中等教育課程で1915万5571人が学んでいる。このうち173万8千人、つまり9パーセントは通信教育で学んでいる。教育の段階から見ると中学では17万1943人、高校では156万6255人である。

◾️170万人が通信教育ー高校からの離脱続く

通信中等教育規定によると13歳以上の子供が通信教育受けることができる。つまり中学校以上の年齢だ。高校についてはこうした制限はない。このため、近年では11年生と12年生(注:日本で言えば高校2、3年生)が、大学入試によりよく備えるために、高校の登録を通信教育にうつしている例が見られる。これは、移籍の学生の中に有名な進学校が多いことからわかる。

◾️大人も学ぶ

通信教育では大人も学んでいる。ただし国民教育省の統計からはどの程度の割合で大人が高校段階の教育を受けているかはわからない。一方、近年、多くの学校から学生が登録を通信教育に移していることが判っている。18歳未満の学生が通信教育に移籍するにはいろいろな理由がある。第一には、大学入試の準備のため全時間を.予備校や家庭教師にあてるというのが来る。また、公立学校では試験でいい点を取るのが難しく、このため「中等教育成績点OBP」が低くなる。OBPで大学入試テストの点数が30点から60点の加算になるため、OBPを高めたい学生にも通信教育は利点がある。このほか通信教育では授業数が少なく、テストも簡単であることが選択される理由となっている。

高校入試で(進学校である)アナドル学校や理系学校には入れなかった学生にとって、選択肢は職業高校か(宗教的な)イマムハティーブ高校しかない。この種の高校を望まず、私立高校にいく余裕のない学生も通信教育を選択している。家計を支えるため働かざるをえないものも昼間の学校から離脱し、また女子生徒のなかには家事を手伝わせるために家族の要請で学校を離れ通信教育に登録させられているケースもある。

◾️校長が勧めている

この件について意見を聞いたナーズム・アルカン理系教育機関指導調整役のジハン・イェシルユルト氏は、学生は4、5年に及ぶ教育プロセスに嫌気がさしていると指摘する。
「競争の末に入った学校からも離脱がある」というイシルユルト氏は、学生にとっていい高校の名前を履歴書に書く意味はなく、一部の学校の校長は学生に通信教育を勧めているという。

教育評論家のサリム・ウンサル氏も学生が特にいい高校で良い成績を取るのが難しいと心配しており、試験の準備が楽な通信教育に向かっているという。理系高校からさえ移籍があるというウンサル氏は「この学生たちをどうして高校で学び続けさせられないのかと問わなくてはならない。成績をつけるシステムがもっと公平でなくてはならない」とのべる。

◾️毎年増えている

国民教育省の統計を見ると通信教育の学生数の増加は目を引く。それによると2006-2007の通信教育生は56万6967人であった。これが2021-2022には173万1198人に増えている。

◾️10年間に120人が職場で事故死

学生が通信教育に行く理由の一つは働かざるをえないからだ。この場合、子供には保険や安全保障がない。働く最中に死亡する者もいる。健康保険機構データによると2011ー2021年の間に18歳以下の120人が死亡事故で亡くなった。また968人の子供が事故に遭い、22人の子供が職業病になっている。


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翻訳者:トルコ語メディア翻訳班H
記事ID:56138