米国が恐れた外遊;ワシントンの重要な戦略は失敗したのか(4)

2023年04月03日付 Iran 紙

(続き)
◆共通の脅威としてのアメリカ

 米国メディアは、プーチン大統領と習氏の会談を、米国の影響力に対抗するための両国の接近と表現し、情勢を不安定化させるNATOの行動に反対する中露両大統領の共同声明に言及した。

 CNNは、国際関係専門家アレクサンダー・コロレフ氏の発言を引用し、「ロシアと中国の共同声明は、多くの国際問題に関する見解とそれに対するグローバルなアプローチについて、両国の立場が総合的には一致していることを示している。彼らが米国を安全保障上の大きな脅威と見做していることは極めて明白である。」と報じている。

 ワシントン・ポストもまた、この会談に関して以下のように報じている。「米国最大の戦略的・軍事的課題としてのこの両国の拡大しつつある同盟関係は、米国が行なったのと同じレベルで世界秩序を変える力を持つ」。

 この記事を書いた記者によると、習国家主席のロシア訪問は、中国を経済的・軍事的に囲い込み、成長を抑制しようとする米国の取り組みに対抗するために、「中国がロシアというカードを切ること」を示すものだ、という。

 ワシントン・ポストは「中露両国の拡大しつつある同盟関係は、米国が行なったのと同じレベルで世界秩序を変える力を持つ」と記した。


◆中国の選択!

 ロシアの専門家らも習主席のロシア訪問に関して様々な見方を示した。中には、最終的に中国政府はどちらか一方を選択せざるを得なかったと考える見方もある。

 例えば、モスクワ国立大学アジア・アフリカ諸国研究所[モスクワ国立大学付属アジア・アフリカ諸国大学](ロモンソフ)長のアレクセイ・マスロフ氏は、次のように考えている。「中国は紛争を回避することに慣れており、常に交渉プロセスによる平和的な解決を望み、決して紛争に向かわない。中国が選択を迫られたとき、それにより直ちに次の政治方針を決定する必要が生じた。昨年初めには中国は(ロシアと)距離を取る政策を堅持すらしていたが、その後中国は選択を迫られることとなり、その選択はロシア側につくというものだった。」

 マスロフ氏はシンクタンクのロシア国際問題評議会(RIAC)との話の中でこれらのことを述べ、次のように付け加えた。「中国政府は過去1年間、半導体をはじめ多くの技術の中国への供給停止や新疆問題、台湾問題など様々な圧力を受けてきた。故に彼らは、これらの事案は経済的対立に関わるだけでなく、中国の発展モデルを破壊する試みでもあることに気づいたのだ」。


―(5)に続くー


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翻訳者:LJ
記事ID:56184