全土で第100回共和国記念日、祝賀

2023年10月29日付 Hurriyet 紙

トルコ共和国建国100周年がトルコ全土で盛大に祝われている。祝賀イベントには子どもから高齢者まで数百万人が集い、各県でパレードや式典が開催され、空には巨大な国旗がたなびいた。本記事では各地から届いた100周年記念の様子を紹介する。

共和国建国100周年記念行事は、イズミル県庁での祝賀式典で幕を開けた。イズミル県スレイマン・エルバン知事が祝意を読み上げた後、共和国広場で公式祝賀式典が開催された。パレードカーに乗ったエルバン知事、エーゲ海駐屯軍司令官ケマル・イェニ将軍、イズミル広域市のトゥンチ・ソイェル市長が、祝賀に集まった市民らと記念日を祝った。また、黙祷と国歌斉唱に続き、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が10月29日共和国記念日に寄せたメッセージが読み上げられた。

■「アタテュルクは己の命を顧みずサムスンに上陸した」

エルバン知事は式典でのスピーチで次のように述べた。

「共和国建国100周年ならびに共和国記念日おめでとうございます。共和国建国に至る道のりの長きにわたって苦境を経験したこの国(民)は、悲しいことに、過去数世紀で幾度も敗北を味わい、絶えず困難に見舞われてきた。その上、日ごとに国の一部を失った。そしてついに1912年に至り、全敵軍がこの国(民)を破壊しようと集結した。この国はうまくいっていたにもかかわらず、バルカン戦争、トリポリ戦争(伊土戦争)、そして第一次世界大戦で、大きな損失を被った。さらに敵軍はこの国の状況を利用し、この国を破壊し尽くし、アナトリアから排除する最終手段としてアナトリアを四方八方から包囲した」

■「アタテュルクの英雄的な抵抗」

エルバン知事は続けて、(当時の)敵の包囲攻撃の目的はこの国を根こそぎ破壊することだったとし、「アナトリア全土で始まった包囲、占領、残虐行為に対し、偉大なるトルコ国民は、各県、各郡、各村で英雄的な抵抗を示した。とはいえ、こうした抵抗は、手際よく全体として成し遂げられた場合にのみ成果がもたらされるのであった。さもなければこの国は無念にも滅亡に直面するような状況だった。偉大なアタテュルクはこのことを認識しており、自身の立場、役職、階級、さらには最も重要な自らの命さえも顧みず、彼の義務を遂行するために5月19日、サムスンに上陸した。あらゆる危険を乗り越えて彼はこの運動を組織し、2年以上の闘いの末、我々が今いるこのイズミルで最後の敵を海に投げ込み、9月9日に救国は成し遂げられた。敵には知り得ないことがあった。それは、この国民が、祖国と国家のことになれば喜んで命を捧げるという事実を知らなかったのだ」と述べた。

■イスタンブルでは国産車TOGGのパレード

TOGGオーナーらは共和国建国100周年を記念して、ヤヴズ・スルタン・セリム大橋からアナトリア側へパレードをおこなった。この式典のために、トルコ各県からイスタンブルにやってきた人々もみられた。

■「ビッグ・ユスフ」の敬礼飛行

カイセリ県では、トルコ軍の数々の作戦に成功をもたらし、地震被災地で重要任務を果たしているA400M輸送機(通称「ビッグ・ユスフ」)が共和国広場で敬礼飛行をおこなった。祝賀に集まった市民はこの催しを興味深く見守り、広場上空を低空飛行するA400M輸送機の姿を携帯電話のカメラで録画していた。

■水中で国旗を掲げて100周年を祝う

チュナルジュク郡では、民間の水中スポーツクラブの会員ダイバーらが海に潜り、水中でトルコ国旗を広げて共和国建国100周年を祝った。

この「深海で敬礼ダイブ」を水中カメラで録画したダイバーらは、「共和国建国100周年にあたり、私たちは10月29日の共和国記念日を最も特別な方法、つまりチュナルジュクの海底でトルコの国旗を振って祝った。最高司令官だったムスタファ・ケマル・アタチュルクと彼の兵士を慈悲と感謝の思いで思い出している」と述べた。

■幅400メートルの巨大国旗と行進

ヤロヴァ県アルトゥノヴァ郡での10月29日共和国記念日祝典では、幅400メートルものトルコ国旗を掲げた行進がおこなわれた。この行進は、共和国地区のアタテュルク記念碑前を起点とし、子どもから高齢者まで数百人が参加。防衛大学海軍下士官学校マーチングバンドの伴奏に合わせて郡庁舎前まで続いた。

■カドゥキョイでは100周年を記念しクラシックカーが行進

イスタンブル・クラシックカー協会 (İKOD)の会員らはギョズテペの60周年記念公園に結集。そこから、共和国建国100周年にちなんでクラシックカー100台からなる「共和国100周年記念」車列が出発した。トルコ国旗やアタテュルクのポスターで飾られたクラシックカーは10月29日の共和国記念日を熱狂的に祝福した。
車列はバーダット通りからカドゥキョイに向かって進み、沿道の人々も国旗を振って祝賀イベントに参加した。このクラシックカー車列の終点はクズルトプラクだった。

■「例年通り、今日もここにいる」

クラシックカーで車列に加わったセルカン・オカイ氏は、「共和国建国100周年を熱烈に祝おうと、我々はクラシックカー100台の車列をつくり上げた。共和国記念日は、トルコ独立戦争の精神に栄冠が授けられる日だ。その意味で我々はムスタファ・ケマルと兵士らを感謝の思いで追悼している。彼らは我々に今日という日を贈ってくれた。我々もこの熱意と誇りを将来に継承するため、毎年ここに集い、今日もここに集まった」と語った。

一方、観光都市のアンタルヤ県では、10月29日の共和国記念日に陸海空でさまざまなイベントが催され、その一環で4機のF-16戦闘機がコンヤルトゥのビーチと崖の上空を飛行する特別ショーが披露された。早朝から、市民数千人がビーチへ続くスロープに陣取って航空ショーを待ちわびた。

■ワンでも大熱狂

ワン県でも10月29日の共和国100周年記念日が熱狂的に祝われ、憲兵隊と警察チームによる式典パレードには拍手喝采が贈られた。

エルズルム県とイードゥル県でも共和国建国100周年の祝賀式典が行われた。エルズルムの式典パレードでは、長さ100メートルのトルコ国旗と、トルコで国民的な国産車TOGGが大きな注目を集めた。

■スケートリンクで祝う

トルコアイススケート連盟は、エルズルム県のアイススケートリンクで祝賀企画を実施。フィギュアスケートとスピードスケートの選手らが氷上でトルコ国旗を掲げた。選手らはトルコ国旗を掲げてリンクを周回。そのなかにアイススケート連盟技術委員会会長のドゥイグ・ベリ氏も加わり、さらに同氏の夫でスピードスケートのコーチであるアーデム・ベリ氏もは生後8か月のアセラちゃんを抱いて参加した。選手らはスケートリンクで音楽(マーチ)にあわせて演技を披露し、続いて黙祷を捧げ、国歌を斉唱した。アイススケート連盟理事のナージ・コルジュ氏、ゼケリヤ・デニズ氏、キョクサル・カチュマズ氏、オズジャン・ウシュク氏とそれぞれの家族も、選手らとともに参加した。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:原田星来
記事ID:56620