専門家の警告、トロピカル・フルーツは地下水を枯渇させる

2023年11月13日付 Cumhuriyet 紙

トルコ自然保護協会科学アドバイザーであるエロル・ケシジ博士は警告した。「トロピカル・フルーツは、地下水を枯渇させる。生産を止めるべきだ。」

地中海地方を筆頭にトルコで近年、セミトロピカルあるいはトロピカル・フルーツの生産が増加している。アンタルヤ県、メルスィン県といった県でバナナを筆頭にアボカド、マンゴー、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツといったトロピカル・フルーツの生産が増える中、特に生産の過程で使用される水資源が論争の的となった。約10万トンのバナナの生産が行われている[アンタルヤ県]ガズィパシャ郡ゼイティンアダ地区で水不足が原因でバナナ農園が破綻し始めた。この農園の場所に別荘の建設が見られるようになった。

■教訓を得るべき

トルコ自然保護協会科学アドバイザーであるエロル・ケシジ博士は、バナナ、マンゴー、アボカドといった商品の生産を許可すべきではないと述べて、「後悔しないために起こったことから教訓を得るべきだ。例えば、アランヤではコロナ拡大中に一つの地域にどれほど多くのバナナとアボカドの農園が建てられたことか。現在、その地域では、掘削した井戸が枯れ人々がタンカーによって水を運ぼうと努めている。多くのアボカドとバナナ農園も水不足が原因で収穫ができず売りに出されている状態である。」と述べた。

■強欲もこれは行き過ぎ

バナナ、アボカド、マンゴーといった植物が自動灌水システムに適していないと述べたケシジ博士は、「不幸にもこれらの植物は大量の水を必要とする。土地と水を守りたいならば、マンゴー、バナナ、アボカドといった植物を生産するな。マンゴーは全く私達に相応しい、好ましい植物ではない。なぜか。マンゴーは熱帯気候の植物である。熱帯気候は、降水量が多く暑い気候帯である。ケッペンの気候区分によると、1年の12ヶ月の間18℃を下回らない。こうした特徴をもった気候で育ち、水をとても必要とする。強欲もこれは行き過ぎだ。水と将来を考えるならば、マンゴーやそれに似たトロピカル・フルーツを植えるべきではない。」と話した。

■お金ではなく、水が必要である

マンゴーを育てている場所が水不足となるのは科学的な事実であることに注意を引いたケシジ博士は、「熱帯気候で育ち、根がとても頑丈であるマンゴーは、このためにとても水を必要とする木である。木が十分に水を与えられると果実の生産性が増加する。私達に水はあるのか。私達の気候帯は熱帯か。こうした理由で[そうした植物の栽培は]裏切り行為である。決して許可を与えるべきではない。この植物を植える人々は、我が国と将来を考えるべきである。

私達にはお金ではなく水が必要である。現在、トルコではバナナ、アボカド、マンゴー、ドラゴンフルーツといった50種類近くを栽培しようと努めている。過剰に水を必要とするこれらの植物は、私達に相応しくない。深く掘削して地下水源が消費されたことが原因で一部のマンゴーとバナナ生産者は、今年、十分な収穫を得られず破綻したことが伝えられている。この種の商品は輸入を続けることができる。生産が必須ではない。この種の生産のためにここ数カ月で数多の深い井戸の掘削を認めたことも極めて危険である。」と述べた。


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翻訳者:新井慧
記事ID:56714