EUの悪夢、オランダ選挙で極右ヘルト・ウィルダース勝利

2023年11月24日付 Hurriyet 紙
極右のリーダー、ヘルト・ウィルダースが選挙で勝利した後、オランダの人々が街頭にあふれるなか、西側メディアが行った分析では、失望と懸念が表された。

極右であり、反イスラム思想で知られるヘルト・ウィルダースを党首とする自由党(PVV)がオランダで掴んだ選挙の勝利は、ヨーロッパで大きな衝撃を与えた。

ウィルダース自身も予想していなかった勝利で、議会の150議席のうち37議席を獲得し、首相として最有力候補となった。

■オランダの人々は人種主義やイスラムフォビアに反対し、街頭に出た

結果発表後の昨日、オランダの多くの都市で人々が街頭に繰り出した。ユートレヒトとアムステルダムでは1000人近くの人が集まった。人種主義やイスラムフォビアに反対を示す団体は「フリー・パレスチナ」「愛は憎しみに勝る」というスローガンを掲げた。

■ヨーロッパで極右拡大:ヘルシンキからローマへ、ベルリンからブリュッセルへ…

イギリスのガーディアン紙は分析の中で、衝撃の勝利がヨーロッパで極右の高まりを確かめるものであるとし、「ヘルシンキからローマへ、ベルリンからブリュッセルへ、極右政党が世論調査で安定的に上昇している。移民、イスラム、反EU感情は長い間、極右の主な支えであった。Covid-19やウクライナ戦争後に急激に広がった深刻な物価上昇は既成の政治家への不信感を引き起こすなか、これらの政党の魅力をさらに高めた。」と述べた。

同紙は別の分析でウィルダースが反イスラム思想で知られ、モスクの閉鎖、スカーフの禁止を望んでいることに触れ、選挙結果が人権や安全の点で不安を生んだと記した。

■オランダがEU離脱の可能性も

インディペンデント紙も選挙結果を「衝撃」と評価するなか、ウィルダースの勝利後オランダがイギリスのようにEUから離脱する可能性も提示した。

同紙はウィルダースが選挙運動でオランダのEU離脱のために国民投票を行うよう求めたことに触れ、極右リーダーがテレビ番組で話したことが再び話題となった。

「国境封鎖、難民ゼロ...もう十分だ。オランダはこれ以上はお手上げだ。もう私たちは自国民のことを考えなければならない。」

■オランダの「トランプの瞬間」

アメリカの放送局CNNに解説をした専門家はウィルダースの選挙勝利がオランダにとっての「トランプの瞬間」だと分析した。

CNNはウィルダースの勝利がオランダとヨーロッパの政治にとって懸念の原因となったと伝え、欧州で極右の高まりに注意を促し、樹立される連立政権がどのようなものになるかは不透明であると強調した。

■EUの悪夢

アメリカを拠点とするポリティコ紙は、「ヘルト・ウィルダース、EUの悪夢」という見出し記事の中でEUの他の極右のリーダーとともに現行の政策を覆す可能性があると主張した。

同紙は、オランダのEU離脱を望むウィルダースがEU首脳部とは接近しないであろうと伝えた。

■ウクライナへの支援停止を指示している

タイムズ誌はオランダでの選挙結果が特に欧州にとって暗いニュースとなったと強調し、ウィルダースがEU離脱やウクライナへの支援停止を支持していると伝えた。


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翻訳者:大屋千寛
記事ID:56774