イスタンブル市議会でボアジチ大学教員議論、抗議の教員を揶揄

2023年12月13日付 Cumhuriyet 紙

イスタンブル広域市の12月定例議会の第三本会議において、AKP(公正発展党)会派広報担当のファールク・ギョクシュ氏は、CHP(共和人民党)のウムト・シェノル議員に向けて「ご本人の弁ではトルコ有数の大学を卒業されたそうだが。私が理解している限りでは、授陣は(抗議活動のため)立っているばかりで科学的な研究をしない者ばかりだ。おそらく彼は講義を受けられなかったのだろう」と発言した。

イスタンブル広域市の12月定例議会の第三本会議が本館の議場において行われた。第二副議長であるオメル・ファールク・カライジュ氏が議長を務め、質疑応答から始まった。

CHP所属のウムト・シェノル議員の質疑の後、回答したAKP所属の会派広報担当であるファールク・ギョクシュ氏は、ボアジチ大学の教授について「立ってばかりで科学的研究を行わない教授たち」と発言したことが議論を呼んだ。

■「1000年で死亡する人を5年のうちに殺している」

CHPのシェノル議員はイスタンブル広域市のエクレム・イマムオール市長に対する質疑において、「イスタンブル運河計画は長い間、議題に上がっていない。私はこの計画をイスタンブル運河計画ではなく血の涙を流すイスタンブル計画と呼びます。交通インフラ省のアブドゥルカーディル・ヴラルオール大臣はこの件について政府の見解として、イスタンブル運河計画の継続と、計画の必要性を強調して『ボスフォラス海峡が両方向の船の往来にとって安全ではないことは工学的な計算が示している。よってこのプロジェクトは必要だ』と述べました。大臣が行った最新の工学的計算では、ザーフェル空港における搭乗率保証の逸脱率は98%だ。私はある統計をとった。直近の100年においてボスフォラス海峡で船舶事故により死亡した人は80人である。イスタンブル運河と同規模の工事として、イスタンブル空港建設時には公式統計によれば、55人が死亡した。労働者健康安全委員会によると400人の労働者が死亡した。イスタンブル運河規模の工事では800人の死者が出るだろう。人々の安全のために、人々が死なないために行うのであれば、過去100年間に80人が死亡したこの場所の工事で800人が死ぬことになる。つまり、今後1000年間に死ぬであろう人の数を、今後5年間で殺すことになるのです」と述べた。

イスタンブル広域市長に質問を行ったシェノル議員は、「イスタンブル運河プロジェクトにかかる約150億~200億ドルの経費は、イスタンブルで予想される大地震への備えとして必要な資金と都市再開発のどれくらいをカバーするものだろうか?この資金が街の安全のために使われた場合、およそ何人の命が救われるのか?」と述べた。

■「立っている教授たち」
シェノル議員の後に発言したAKP所属会派広報担当であるファールク・ギョクシュ氏は「私たちはイスタンブル運河に関して議会で総会を行った。シェノル議員は参加しなかったようだ。ご本人の弁ではトルコ有数の大学を卒業されたそうだが。私が理解している限りでは、教授陣は立っているばかりで科学的な研究をしない者ばかりだ。おそらく彼は講義を受けられなかったのだろう。彼の知識はイスタンブル広域市を遥かに超えている。一般政策に関連する仕事ぶりだ。イスタンブル広域市市長には、彼をCHPの共同党首、コンサルタントとして重用することを提案したい」と述べた。

■「論文の数をファールク氏に説明するだろう」

「シェノル議員はボアジチ大学に対する「立っているから科学的研究をしていない」という発言について、「この大言を非常に恥ずかしく思います。いつかファールク氏がボアジチ大学のキャンパスを訪れたら、私は彼を教授たちに紹介し、その教授たちが出版した論文の数、彼らの科学的研究、彼らの論文がどれだけ多くの科学論文で参照されているかについて説明してもらうつもりです」と述べた。

「イデオロギー的に振る舞う教授たち」

最後に発言したファールク・ギョクシュ氏は、「大学というのは科学的研究と意見の自由が実践される環境です」として、「私はボアジチ大学の教授たちに言ったのではない。科学的研究の他にあらゆる活動をし、イデオロギー的に振る舞う教授たちに対して言ったのだ」と述べた。

 


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翻訳者:伊藤颯汰
記事ID:56902