最高裁、憲法裁判所のジャン・アタライ決定に従わないことを発表

2024年01月04日付 Cumhuriyet 紙

最新ニュース...最高裁判所第3刑事小法廷は、「憲法裁判所の2度目の違憲判決には法的な価値がなく、決定に従わない」と決定した。

トルコ労働者党の国会議員ジャン・アタライ氏に関して、憲法裁判所が2度目の「違憲」の決定を下したことを受け、イスタンブル第13重罪刑事裁判所は本件を最高裁判所に差し戻すことを決めた。

最高裁判所第3刑事小法廷は今日この件に関する決定を下した。同法廷は、「憲法裁判所による2度の違憲判決は法的な価値がなく、[憲法裁判所の判決に関わる]憲法第153条第6項の範囲で適用できる決定は存在しない」と述べ、憲法裁判所の判断に従わない決定を行った。

同法廷は、当該決定を「司法制度に則った行動」と評した。

同決定では、[国会議員の資格喪失に関わる]憲法第84条第2項に鑑みて、憲法裁判所に訴える可能性を認めておらず、憲法裁判所がこの問題で調査を行う権限も持っていないと指摘し、憲法上の要請に従いアタライ氏に関する判決文が必要な評価と遂行を受けるためにトルコ大国民議会議長府(注)に再送されることが決定された。

憲法裁判所は、ジャン・アタライ氏に関して以前も「違憲」の決定を下している。最高裁判所第3刑事小法廷は、この決定に従わない決定を下し、憲法裁判所判事らに関して告発を行っていた。

(注)ジャン・アタライ氏は現役の国会議員である。弁護士のジャン・アタライ氏はゲズィ公園運動に関する裁判の中で被告とされ、2019年にイスタンブル第13重罪刑事法廷で審理が始まった。同氏は2022年4月25日に「トルコ共和国の転覆を試みる犯罪を幇助した」罪で18年の禁固刑の判決を受けた。この判決後に逮捕され、マルマラ刑務所に送られた。同氏は2023年の総選挙ではトルコ労働者党からハタイ選挙区の国会議員候補として出馬し、選出された。同氏の弁護士たちは国会議員の当選証書を入手して、アタライ氏釈放のために最高裁共和国検事局に提出した。弁護士たちは不逮捕権に関わる憲法83条に依拠して、アタライ氏の裁判の停止と釈放を訴えた。
 最高裁判所第3刑事小法廷は、2023年7月13日に上記の請求を却下した。
 この却下を受けて、7月20日に弁護士たちは、当人が選出され政治活動を行う権利及び個人の自由と安全の権利が侵害されたと訴えて、憲法裁判所にアタライ氏個人の名前で申請を行った。
 10月25日に憲法裁判所はアタライ氏の権利侵害を認める判断を下した。憲法裁判所は、再審のため同件をイスタンブル第13重罪刑事法廷に差し戻した。
 イスタンブル第13重罪刑事法廷は10月30日にこの件を判断する権限は最高裁判所にあるとして、最高裁判所第三刑事小法廷に本件を送った。
 11月8日、最高裁判所第三刑事小法廷は、憲法裁判所の違憲判決を却下した。同小法廷は、アタライ氏の国会議員の資格を剥奪する手続きを開始するため、判決文を国会に送り、違憲判決を下した憲法裁判所のメンバーに関し最高裁共和国検事局に告発を行うと決定した。
 アタライ氏の弁護士たちは憲法裁判所に再度申請を行った。12月21日、憲法裁判所は、最高裁判所第三刑事小法廷の判断に異議を唱えたアタライ氏側の申請を検討し、再度アタライ氏の権利の侵害を認める判断を下した。


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翻訳者:小鉄礼子
記事ID:57098