アミールアブドッラーヒヤーン外相の覚え書き|人間性への悲歌(4)

2023年12月02日付 Iran 紙

−(続き)−
 政治化とダブルスタンダードの採用は、国際監視機関を巻き込んでいる災厄である。パレスチナは2015年以降、国際刑事裁判所規程[ローマ規程]の締約国となっており、その領土において犯された犯罪は当然、国際刑事裁判所の管轄下にある。国際刑事裁判所の検事はウクライナ危機の勃発から24時間後ただちに同国を訪れ、想定される事態の諸側面を調査する最大の調査チームを結成している一方で、1か月経過後、しかも世論の圧力を受け、パレスチナの抑圧された人々の支援のためではなくシオニストの犠牲者家族への同情のために、ラファ検問所への訪問を実現したとはどういうことだろうか?!ウクライナ事件のあと欧州諸国を中心とする34か国が、ウクライナの対ロシア係争における第三者介入を国際司法裁判所に申請した一方、占領政権のジェノサイドにおいてどの国も恐ろしいほどに口を閉ざしてしまっているのは何ということか?!人権において遥かに重要性の低い程度の侵害に対し、欧米社会による制裁キャンペーンが行われている一方で、パレスチナの人々に対する強制移住や民族浄化については誰も語ろうとしないのは如何なることか?!EUの外交政策責任者は、シオニスト政権の行っていることを戦争犯罪と見なすかどうかの判断においては法的な知見がないと主張しているが、その一方でパレスチナの人々の正当な戦いに関しては、経験豊富な国際弁護士の立場でコメントしているのは一体どういうことか?!

 この種の措置は、国際社会の集団的な良心を傷つけるものである。国際社会は醜悪で恥ずべきこの矛盾に耐える力を失っており、今や国際世論は直接的に非難の声を上げるところとなっている。

−(5)に続く−


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翻訳者:KA
記事ID:57180