野良犬対策へ提案

2024年02月11日付 Hurriyet 紙

イスタンブルを筆頭にトルコ最大の問題のうちの一つである野良犬に対してジェッラフパシャ所在の獣医学部学部長アルパク教授は、人道的な解決方法の提案をした。「イスタンブルで約40万匹の野良犬がいる。私達は300人の学生と共に犬を不妊にしながらこの問題を5年以内に解決できるだろう。」

イスタンブル大学ジェッラフパシャ獣医学部学部長ハサン・アルパク教授は、イスタンブルで約40万匹の野良犬が生活していることが推測でき、あまりにも多くの犬がいるので時々問題の原因となっている述べた。政府がこの問題を真剣に考慮する必要があると強調して、「学部として協力は準備している」とした。提案した解決方法や、どのように実施するのかについて本紙に説明した。

■ギュル知事に説明した

「野良犬の数は近年徐々に増加しているのがわかっている。これは、動物が捨てられたり、犬の数が管理できずに拡大しているためである。しかし、この5年間で解決可能と予想している。イスタンブル県ダウト・ギュル知事の招待でトルコ災害緊急事態管理局にて開かれた会議で野良犬の状況を取り上げた。この議題に関する私達の解決案も、当然、動物がいい状態でいることを継続するようにということである。学部として私たちの立場は明らかであり、野良犬側にあるからである。私達の仕事は、全ての動物が快適な形で生活を続けることを保証することである。

■ハサン・アルパク教授「保健部隊がいる」

イスタンブルには約40万匹の野良犬がいると考えている。この数字はもっと大きいと主張する者もいる。最も野良犬が多い郡はヨーロッパ側ではエユップ郡、スルタンガーズィ郡、シリブリ郡、チャタルジャ郡、ビュユクチェクメジェ郡、サルイェル郡である。アジア側はというと、ベイコズ郡、シレ郡、スルタンベイリ郡、ペンディッキ郡、カルタル郡、トゥズラ郡である。この問題解決のために各区、県の農政局、自然保護国立公園総局の協力が必要である。しかし、彼らがこの問題に割ける人員は問題を解決できる規模ではない。その数は、私達の大学にはいる。私達の学部の4回生と5回生で構成される300人の保健部隊によって、この問題の解決に大いに貢献できる。

■まず学部で

この活動の中で学部キャンパス内で約500匹の野良犬の全てを不妊化させるだろう。しかし、この処置は雄と雌で違いがある。術後の扱いが一緒ではない。一般的に不妊処置された雄は、同日に外に戻される。しかし、雌は1週間の経過観察が必要である。術後すぐに外に戻すことは、死亡の原因となる。大学構内で犬の不妊処置のために必要な場所を準備した。他方、これに関連して動物捕獲チームも準備した。そのため、3ヶ月以内に大学構内での不妊処置ができるだろう。」

■不妊処置後に攻撃性が減少する

アルパク教授は、不妊処置後に犬のホルモンバランスが変わり攻撃性が減少するとし、「犬たちに害を与えずに不妊処置をした時、人々への攻撃も減少するだろう。この活動を続けることができれば、イスタンブルの犬の数は五年以内に減少を始め、十年経ったら40万匹が老齢化による自然死で五万匹まで減少すると見ている。」と述べた。

「私達の学部の4回生と5回生で構成される300人の保健部隊によってこの問題を解決したい。」

■犬と出会したらどうすべきか

アルパク教授は、犬の攻撃から身を守るにはどうすべきかを次のように語った。

「一つの犬のグループの中で最初に行動を起こしたり、立ち上がったりするのは群れのリーダである。まずはその犬に注意を払うべきである。さらに犬たちの側を通り過ぎる際には目ではなく胴体を見なければならない。犬は時速50-60キロで走ることができる生き物である。だから犬からは逃げられない。さらに一部の人は犬たちを見るとアドレナリンが分泌され始めるかもしれない。アドレナリンは『逃げるか襲え』のホルモンである。犬はこのホルモンの匂いを嗅ぎつけると同時に人の瞬時の行動も判断できる。なので犬と出会したたら、興奮せずに平静でいるようにすべきである。」

■不妊処置費用は一匹あたり7000-1万2000リラ

アルパク教授は、不妊処置の費用を語った。

「私達の大学では雌犬は1万2000リラ、雄犬は7000リラで不妊処置をしている。雌犬の方の費用が高いのは、術後一週間は経過観察しているからだ。提案した計画で私たちに唯一必要なものは、材料の用意と自治体による不妊手術の場所の確保である。場所が確保できれば手術を開始できる。」

■狂犬病検査結果はQRコードで確認

2023年には丁度3万匹のペットが出国した。農林省はペットと共に国外に旅行する人々が説明を要する狂犬病検査に関わる作業・手続きが短期間で終了できる運用を実現した。獣医実験室情報システムを通じて取得される狂犬病の蛍光抗体ウイルス中和試験(FAVN)の検査報告については、もはやQRコード確認システムの運用を始めた。この新たな運用と共に、世界のどこからであれ、国外へ旅行者に同伴する猫や犬の蛍光抗体ウイルス中和試験結果は瞬時にして確認できるようになるだろう。

同省はこの問題に関して次のような情報を開示した。

「ペットの持ち主は、検査後に自身に送られてくる検査結果書により、最大で出国前48時間以内に本省の県・郡支所から健康証明書を入手して、希望する何処にでも旅行できることになる。以前は蛍光抗体ウイルス中和試験(の結果)に関するサービスは紙媒体で行われていた。狂犬病検査がより速やかに安全に実施され支障が生じないようにと、2024年年初にQRコード確認システムを可能とする運用が実現された。」


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翻訳者:新井慧
記事ID:57332