「そこはあんたの実家じゃない」イスハク・パシャ宮でビデオクリップ撮影のヒクメト・エラスランに非難殺到

2024年03月06日付 Hurriyet 紙

歴史的なイスハク・パシャ宮殿において、Mr. Dosso Dossi という変名を持つ実業家のヒクメト・エラスラン氏は、DJブース、スモークマシーン、そしてスピーカーを設置し、レーザー光線、花火、紙吹雪を使ったクリップ映像を撮影した。2分29秒にもなるクリップ映像は、精神的価値を軽視していることや歴史的建造物がダメージを受けているとの議論を巻き起こした。

アール県ドウべヤズトで実業家のヒクメト・エラスラン氏がUNESCOの世界遺産暫定リストに掲載されているイスハク・パシャ宮殿にて撮影したクリップは議論を巻き起こした。クリップ映像の公開の後、精神的価値が軽視され、歴史的建造物がダメージを受けたとの議論が始まり、文化・観光省はこの件に関して調査を開始した。

DJブース、スモークマシーン、スピーカー、ライト、紙吹雪、レーザー光線、そして花火が使われたクリップ撮影は、過去に解雇されたアール県文化・観光局副局長のエルカン・キョセダー氏によって許可されたことが明らかにされた。一方で、同省の関係者たちがこのクリップ映像の撮影について知らされていなかったことが判明した。本紙の取材に対してアール県文化・観光局長のフェヒン・アルトゥン氏は「私の在任期間以前に出された許可であります。文化・観光省はこの問題に対し、敏感な姿勢を示しています。」と述べた。

◾️7ヶ月前に撮影

クリップが約7ヶ月前に撮影されたと述べる文化・観光省関係者は、公開された映像が規則に適しておらず、撮影されたクリップに関し省の関係部署は全く報告されていなかったと述べた。ヴァン県文化財保護局のネジュメディン・バイハン氏は以下のように述べた。「このクリップに関して私たちは関係ない。この種の許可は文化局によって行われます。」

Mr. Dosso Dossi - Renga Bazideという名称でYouTubeに投稿された2分29秒の当該クリップでは、イスハク・パシャ宮殿の中庭で撮影されたクローズアップ映像とドローン映像に注目が集まっている。映像では、宮殿の中にDJブースが設置され、音楽、音、ライト、レーザーシステムが使われ、映像の最後では宮殿の中庭から花火が打ち上げられたことが見受けられる。この映像の写真はインスタグラムやTik Tokでも公開されている。

◾️「私たちの目的は紹介」

イスハク・パシャ宮殿で撮影されたクリップに出演したDosso DossホールディングスのCEOであるヒクメト・エラスラン氏もこの件に関して、本紙に語った。エラスラン氏は「私たちはアール県庁と文化局双方から許可を得ました。私たちの目標はただ、アール県とイスハク・パシャ宮殿を紹介することであった。そこで花火を打ち上げたが、この活動が宮殿にダメージを与えたとは考えていない。」と述べた。

◾️「歴史的建造物にダメージを与えた」

アール・イブラヒム・チェチェン大学、文理学部歴史学科長のヤクプ・カラタシュ教授は「建物内で花火を打ち上げることなど考えたくもない。写真を見たがとても怖かった。」と述べた。

ヤシャル・ベディルハン教授は「大きな音、ライト、レーザー、花火は歴史的建造物に被害を与える。いくつかの歴史的な建物では写真の撮影も禁止されています。フラッシュの影響は歴史的価値のある建物に損害を与える可能性がある。これらはあってはならないことだ。」と述べた。

◾️2000年以降、リストに掲載

オスマン帝国期の1685年に建設が開始され、1784年に完了したイスハク・パシャ宮殿は、中にモスク、霊廟、図書館、地下貯蔵室、共同室、ハレム、応接の間などがあり、大きな複合施設を成してる。オスマン帝国時代に建設されたにもかかわらず、イシャク・パシャ宮殿はセルジューク朝建築の面影を色濃く残しており、バロック、ゴシック、ロココ、アンピールといった西洋芸術運動の影響も見られる。2000年以降、ユネスコの世界遺産暫定リストに登録されている。


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翻訳者:伊藤颯汰
記事ID:57474