ガザ:数百人規模の呼吸器疾患被害

2024年04月20日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ガザ民間防衛当局:数百人の呼吸器疾患の罹病を記録

【ガザ:本紙】

ガザ地区の民間防衛当局は金曜、同地区の病院内の数百人の呼吸器疾患への罹病を記録したと発表した。これは同地区における調理用ガスの危機の深刻化により、食事を準備するため火を使用していることの結果であるとしている。

民間防衛(民間保護)当局は声明で、「過去6ヶ月にわたり、市民が1日に数時間火の使用に頼った結果、病院内で数百人の呼吸器疾患への罹患を記録した」と述べた。

声明はさらに、「イスラエル占領勢力によるガザ地区、特にガザ市およびガザ地区北部への調理用ガスの搬入禁止が続いており、地区住民に対する継続的な侵略のさなか、さらなる人道および保健の危機を警戒している」と述べた。

また、声明は「住民たちは数ヶ月間にわたり代替手段として、原始的な点火手段である薪や炭に頼っており、これは有毒ガスを発生させるプラスチックまたは化学的素材を点火の際に使用する点において、呼吸器疾患への罹患を増加させる原因となっている」と続けた。

さらに、声明は「調理用ガス危機の深刻化およびそれが昨年10月のイスラエル侵攻の始まりから悲惨な状況に苦しんでいる住人たちの生活に与える危険性」を警告した。

また、国際社会に対し「占領勢力に調理用ガスの搬入を許可するよう圧力をかけること」を求めた。

イスラエルは同地区における戦争開始当初からガザ地区北部への調理用ガスの搬入禁止を行っている。その一方でガザ地区南部に対しては一定量の搬入を許可してきた。

昨年10月7日より、イスラエルはガザに対して破壊的な戦争を仕掛け、パレスチナおよび国連の声明によると、同戦争は10万人を超える犠牲者および負傷者、さらにすさまじい破壊をもたらした。被害者のほとんどは子どもや女性であり、飢餓により子どもや高齢者の命が奪われている。

国連安全保障理事会による戦争の即時停止決議の採択、同様に「集団殺害罪」の実行の嫌疑での国際司法裁判所への出廷にもかかわらず、イスラエルは戦争を継続している。


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翻訳者:小室璃紗
記事ID:57721