チュニジア:自由憲法党党首の弁護団が裁判の公開および中継を要求

2025年03月18日付 al-Quds al-Arabi 紙

■アビール・ムースィー氏の弁護団、同氏に向けられた虚偽の告発を暴露するために公開裁判を要求

【チュニス:本紙】

チュニジアの自由憲法党の党首であるアビール・ムースィー氏の弁護団は、次回裁判を、メディアを通して中継することを要求し、同氏の拘束には法的にも現実的にも根拠がないと主張した。

弁護団は月曜日の声明で、首都チュニスにある第一審裁判所の刑事事件部門が、選挙管理委員会がムースィー氏に対して提起した裁判を2025年3月24日に決定したとした。この裁判は、自由憲法党が2022年12月に、同月に行われた立法選挙のプロセスを拒否する立場を示すために開いた記者会見のなかで、ムースィー氏が記者に対して行った発言に基づくものであった。

ムースィー氏は刑事部門に対するボイコット決定を実施することへの意思をあらためて表明したが、弁護団については「裁判の不当性に抗議するため、この政治的な裁判においてムースィー氏を代理した告訴状提出を行わないだろう」と明らかにした。さらに弁護団はこの裁判は、「情報通信システムにおける絶え間ない犯罪との戦いに関連する2022年法令第54号第24条に依拠したものである」としつつも、同法例が「例外措置の消滅により失効しており、チュニジアが批准する国際条約にも違反している。さらに、自由の制限やその本質の希薄化を禁止し、司法機関に対し国民の権利保護、また防御権の侵害や手続保障の不尊重を含むいかなる侵害からの解放を義務付けているチュニジア憲法第55条にも違背している」と主張した。

弁護団は、ムースィー氏が提起した訴えを審理した国連人権委員会が発行した恣意的な拘禁ファイルを考慮したうえで、ボイコットの決定は国際専門機関が恣意的拘禁作業部会の決定と完全に一致するものであると述べた。さらにムースィー氏の拘束が恣意的であり国際法違反であると宣言し、この違法な状況を終わらせ、同氏を即座に釈放することを求めたうえで、以下の理由に基づく損害賠償請求を提起した。

理由は次のようにまとめられる。「犯罪行為や釈放による危険性も存在しないなかで、拘束に何ら法的・現実的な根拠がない。また公正な裁判の構成要素が欠如しており、手続保障や防御権が侵害されている。またこの拘束は表現の自由の範囲でなされた行為を根拠としており、ムースィー氏が制限なく思想を表現し情報を交換するための根本的な権利を攻撃するための偽装手段になっている。同氏への拘留および起訴は、ムースィー氏の政治的見解を理由に、同氏から公務の管理に参加する正当な権利を奪い、同氏を選挙から排除することを目的とした差別的作用の範疇に組み入れられるものである

弁護団は、ムースィー氏が「共和国への敬意から」弁護団を伴わずに出廷することを決定したが、同氏が「沈黙を守り、審理には一切関与せず、訴訟代理人として任命することを拒否する予定である」と明らかにした。さらに同氏が「自身に対して犯された違法行為の重大性を国民に伝えられるよう、形式面、内容面での妥当性を欠いた裁判の模様をチュニジア国営テレビで中継することを要求した」と明らかにした。

さらにムースィー氏は、裁判の公開原則の尊重と、希望する国民に対して法定に制限なく入ることを許可する必要性を強調した。またメディアに対しては、「この政治裁判を集中的に取り上げること」を求め、当局に対しては、記者らが世論の啓蒙と情報を伝達するという職務を果たすためにため、彼らの取材を容易にするよう要求した。


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翻訳者:小林友哉
記事ID:59851