MHP、はじめてDEM党のバイラム訪問を受け入れる
2025年03月31日付 Cumhuriyet 紙

民族主義者行動党(MHP)の代表団が、初めてDEM党の代表団のバイラムを祝った。MHPのイスメト・ブユカタマン事務局長は、DEM党の代表団に対し、訪問を受け入れてくれたことに感謝を述べたうえで、「わだかまりや確執が解消され、友情の扉が再び開かれ、兄弟としての関係が改めて強化される機会となることを願っている」と語った。
MHPのビュユカタマン事務局長、党首上級顧問で中央執行委員(MYK)メンバーのエスマ・オズダーシュル氏、そして同じくMYKメンバーのシャーヒン・カルタル氏が、バイラムの挨拶を交わすプログラムの一環として、DEM党本部を訪問した。MHPの代表団を迎えたのは、DEM党共同副代表のオズテュルク・テュルクドアン氏とユクセル・ムトゥル氏、そしてビトリス選出の国会議員ヒュセイン・オラン氏であった。
◼️「友情の扉が開かれる日々を共に迎えましょう」
ビュユカタマン氏は、まずDEM党代表団と報道関係者に向けバイラムの祝意を述べ、次のように語った。
「DEM党の皆さんのバイラムを、そして本日私たちの元に駆けつけてくれた報道関係者の皆さんのバイラムをお祝いする。今日はバイラム、友情と兄弟愛に溢れた日だ。MHPとして、今回のバイラムでは、わが党の党首の決定により、幅広い方々との交流を図っている。ご承知のとおり、共和人民党(CHP)は他政党とのバイラム挨拶を望まず、イスタンブルで独自の予定を組んでいる。このCHPを除き、我々は、DEM党を含むすべての政党とのバイラムの挨拶を行うことを願っている。そうした枠組みの中で、DEM党を訪問させていただいている。受け入れていただき、感謝している。このバイラムが、本来の喜びに満ちた日として祝われることを願っている。わだかまりや確執が解消され、友情の扉が再び開かれ、私たちの兄弟としての絆が改めて強まる日々を、共に迎えられることを願っている。私たちの訪問を受け入れていただき、感謝している。この機会に、私たちの党首からのご挨拶とバイラムの祝いの言葉もお伝えする。」
これに対して、DEM党共同副代表のムトル氏は、ビュユカタマン氏の挨拶を受け、「感謝する。デヴレト・バフチェリ党首にもお見舞いの言葉をお伝えする。」と応じた。
■テュルクドアン氏:「私たちはほろ苦いバイラムを迎えている」
DEM党共同副代表のオズトゥルク・テュルクドアン氏は、MHPの訪問を意義深いものだと評価し、次のように語った。
「バイラムの挨拶は、同時に“再会”を意味する。このバイラムの機会に、私からもいくつかの願いを述べさせていただきたい。まず第一に、今も自由を奪われている仲間たち、友人たち、選挙で選ばれた政治家たちが一日も早く自由を取り戻すことを願っている。特に、最近では学生たちまでもが自由を奪われている状況が続いており、これがまさに、私たちがこのバイラムをほろ苦く感じている理由となっている。」
さらに、アブドゥッラー・オジャランが2月27日に発した呼びかけに言及しながら、テュルクドアン氏はこう続けた。
「平和と民主的な社会の呼びかけが実現されれば、私たちは新しいトルコを平和のうちに築いていけるはずだ。そして、そのトルコは同時に民主的なトルコであってほしいと思っている。民主主義では、国民の意思が完全に尊重される体制であるべきだ。その意味で、私たちは特に、国民の意思が現れた結果が尊重されることを望んでいる。この願いを、この機会に述べさせていただいた。ご訪問いただき感謝している。」
■ビュユカタマン氏:「民主的な抗議は権利だが、度を超えないことが大切」
テュルクドアン氏の発言を受けて、ビュユカタマン氏が再び発言し、次のように述べた。
「先ほどお話しされた善意に基づく考えには、私も賛同する。トルコは民主主義によって運営されている国だ。国民が法と憲法の枠内で自らの民主的な意見や抗議を表明するのは、当然の権利である。しかし、度を超えないことが重要だ。」
続けて、「社会の平穏を脅かすような方向に発展してしまうことは、適切ではないと考える」と述べたうえで、次のように語った。
「トルコとして、私たちはこれまでに非常に痛ましい経験を共有してきた。そうした経験に照らして、当然私たちは自らの意見を示せるべきであり、それはまさに正当な権利である。ただ、責任ある姿勢で抗議の意志を表明することが、より適切であると考える。ご存知の通りCHPがある捜査をめぐって市民にデモや街頭行動を呼びかけた件に対し、貴党[DEM党]が行った冷静な呼びかけは、非常に重要で意味のある対応だったと受け止めている。もちろん、この国に暮らすすべての人が、必要と感じたときには民主的手段で声を上げるのは当然の権利だ。しかし、先ほど申し上げたとおり、それは法律と憲法の枠組みの中でなされると、より価値があり正しいと考えている。」
■「人々は思想のせいで刑務所に入るべきではない」
DEM党共同副代表のユクセル・ムトル氏は次のように語った。
「政治の民主化は、同時に社会がどれほどそれを必要としているかを示すものでもる。したがって、私たちは当然、[政府による自治体への]代理人の任命や反民主的な措置に反対する政党だ。そして、私たち自身がその痛みを経験してきた政党でもある。そのため、人々が民主的権利を行使することに何ら問題はないと考えている。しかし、私たちは、人々が思想や信念、感情、民主的権利を理由に刑務所に入れられるようなことがあってはならないと信じている。」
この記事の原文はこちら
翻訳者:金子萌
記事ID:59902