ガザ:イスラエルがラファフ市の包囲を完了したと発表

2025年04月11日付 al-Quds al-Arabi 紙

■イスラエルがラファフ市の包囲を完了し、イエメンからのドローンを迎撃

【ガザ:本紙】

ヘブライ語メディアでイスラエルが停戦への取り組みの一環として同意したエジプトの提案についての話題があったにもかかわらず、現地の情勢はイスラエル軍がガザ地区南部の戦略的な地域の支配を確立し、恒久的な占領について警戒させていることを示している。

占領軍は「ムラグ軸」全体の支配を完了し、ガザ地区南部のラファフ市を完全に包囲したと述べた。

イスラエル軍公式ラジオは、同軍が「ガザ地区南部での地上作戦において大きな進捗があった」と発表したことを明らかにした。また同軍はこの際、エジプトとの国境からガザ地区南部のハーン・ユーニス市の近郊部まで広がる地上回廊である「ムラグ軸」の「制度化」を完了したことを明らかにした。

これは占領軍が指示を続ける強制退去命令と同様に、国連事務総長の懸念を生じさせた。

事務総長の広報担当官であるステファン・デュジャリック氏は、国連難民高等弁務官事務所は、この退去命令の性質に関して、イスラエルが住民を恒久的に退去させる意図があるのではないかという懸念を抱いていると述べた。

さらに同氏は、イスラエルが食糧と医療支援、保健サービスの供給保証を含む、国際法上の義務を尊重することの必要性を強調した。またガザではあらゆる資源が大きく減少し、パン屋が閉店し、救急医薬品は尽き、水の生産は止まっていると述べた。

さらにイスラエル軍は昨日金曜、 東方向からイスラエルの領土に向かっていたドローン1機を迎撃したと発表した。

同軍は声明で、自軍の航空部隊が「(金曜夕方に)東方向からイスラエル領土へ向かっていたドローン1機を迎撃した」と付け加えた。

またこの際、「採用されている方針に基づいて、警告の発動はなされなかった」と付け加えた。

イスラエル軍はこのドローンの発射元を明言しなかったが、イスラエルの民間テレビ局「チャンネル12」は、このドローンがイエメンから発射され、イスラエル国境を越える前に、同国東方の死海上空で迎撃されたと報じた。

ヘブライ語メディアは昨日金曜日、停戦交渉の進展についての報道を再び取り上げた。

イスラエルのウェブサイト「ワラー」はイスラエル高官の発言として、イスラエルが木曜日の夕方にエジプトの新たな提案に対する回答を送ったと伝えた。

同サイトによると、ハマースの代表団は土曜日にカイロに到着する予定だという。

さらに同サイトによると、エジプトがイスラエルに提案した内容には、8人の生存捕虜の解放と同数の捕虜の遺体の引き渡し、40~50日間の停戦、数百人のパレスチナ人捕虜の釈放、ガザへの人道支援物資の搬入再開、そしてイスラエル軍の部隊が攻撃再開前に元の拠点へと撤退することが含まれている。

政治の文脈においても、昨日金曜日にトルコで開催されたアンタルヤ外交フォーラムの傍らで行われた、ガザに関するアラブ・イスラーム委員会の会合は、参加各国の公式の立場に基づいて、パレスチナ人の追放に対する拒否を再確認し、ガザ地区での停戦を呼びかけた。

ガザの状況について議論するために2回の会合が開催された。最初の会議は、ガザに対する戦争を停止するための国際的な行動を担当するアラブ・イスラーム閣僚委員会のメンバー国が参加し、2回目となる拡大会合には、スペイン、スロベニア、ノルウェー、欧州連合(EU)、ロシア、中国、英国、フランスも参加した。

ガザ地区では昨日もイスラエルによる虐殺が続いており、北部、中央部、南部の地域で行われた爆撃により、数十人が死傷した。

これらの虐殺のなかには、ハーン・ユーニス市での虐殺も含まれている。イスラエル軍の空爆が家屋を標的にした結果、マーズィン・ファッラー家全員が殺害され、市民登録からその家族が抹消された。家族の10人が死亡し、そのなかには7人の子供が含まれていた。


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翻訳者:田内香凜
記事ID:59950