シリア:ドゥルーズ派グループと軍が衝突し11人が死亡

2025年04月29日付 al-Mudun 紙

■ジャルマーナー:ドゥルーズ派グループとシリア軍の衝突で11人が死亡

【本紙】

首都ダマスカスの東にあるジャルマーナー市の入口で、ドゥルーズ派グループのメンバーらと、シリア国防省に属する部隊の間で衝突が起き、戦闘員11人が死亡し、負傷者が生じた。衝突は、沈静化や全面的な衝突への発展の阻止が求められるなかで起きた。

<11人の死者>

複数の地元筋が『ムドゥン』に伝えたところによると、過去数時間、ジャルマーナー市内の3地区(ナスィーム、トゥルバ、ヒムスィー)への各入口で、ドゥルーズ派戦闘員らと国防省所属の兵士らの間で複数の武力衝突が発生した。その結果、初期の統計において、両陣営から11人が死亡、約20人が負傷した。

同複数筋によると、衝突により市内の各街区に多数の迫撃砲弾が落下し、民間人にも多数の負傷者が出たという。またこれらの衝突は、預言者ムハンマドを侮辱する録音の拡散をきっかけに発生したという。

さらに同複数筋は、シリア治安部隊員の少なくとも2人が、ドゥルーズ派グループと国防省部隊の衝突を鎮圧しようとして死亡したことを明らかにした。

衝突は首都の南に位置するサフナーヤー町まで波及した。これはドゥルーズ派の戦闘員らが、同町入口の治安総局検問所を攻撃し、治安総局隊員2人が負傷したことによる。検問所は襲撃者らに対して発砲して応戦したものの、その際治安総局の隊員らが負傷したとの情報が得られている。サフナーヤー町では緊張状態のために外出禁止令が出され、追って通知があるまですべての学校が閉鎖された。

<冷静さを求める声>

一方ジャルマーナー市のドゥルーズ宗教評議会は発表した声明のなかで、預言者ムハンマドへの侮辱を否定し、拡散された録音が不和や分裂を煽るための謀略だとみなした。

声明はジャルマーナー市に対する武力攻撃を非難する一方で、死傷者のほとんどが治安部隊に属する人々であったと指摘し、シリア政府とその治安機関には人々の生命と財産を守る責任があるとした。

さらに宗教指導者らはシリア当局に対し、発生した事件の状況を公に説明するよう呼び掛け、シリア当局は「発生済みの事件にならび、今後の進展や危機の悪化」について全面的な責任を負うものであるとした。

一方シリア内務省は録音に関して声明を発表し、初期の捜査においては、関与が疑われている人物が、「流通している音声の記録者であるとは証明されなかった」ことを明らかにした。また音声の記録者を特定し、裁判にかけ、しかるべき抑止的懲罰を与えるための取り組みが進行中であると付け加えた。

同省は、公序良俗を遵守し、公共の安全を脅かしたり声明や財産を侵害したりする個人的・集団的行動を控えることの重要性を強調した。さらに「国家は神聖性の保護と、それを冒とくする者の問責に関して、毅然たる態度と責任をもって、自らの役割を完全に果たしている」としつつ、いかなる法律違反も、治安と安定を確保するための厳格な措置によって対応されることを明らかにした。


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翻訳者:鈴木美織
記事ID:60040