シリア:イスラエルがシリアで「2025年が始まって以来もっとも激しい」空爆を実施

2025年05月03日付 al-Mudun 紙

■イスラエルがシリアを空爆:「2025年が始まって以来もっとも激しい」

【本紙】

イスラエルの複数の航空機は昨日金曜日の深夜、シリア領土の北部と南部および首都ダマスカスに対し連続的な空爆を行った。これにより民間人1人が死亡し、複数人が負傷した。この攻撃は今年が始まって以来、(イスラエルがシリアに対して実施した)もっとも激しい空爆の波である。

<民間人の死者>

シリア国営通信(SANA)は、ダマスカス東部郊外に位置するハラスター市周辺を狙ったイスラエルの攻撃により民間人1人が死亡、ハマー県北部田園地帯のシャトハ村を狙った攻撃により民間人4人が負傷したと報じた。

イスラエル軍は、自軍航空機が「シリア国内の軍事施設1か所、複数の対空砲、地対空ミサイル配備網」を標的に空爆を開始したと発表した。さらに同軍は、「イスラエル国民を守るための必要が生じるかぎり、作戦を継続する」と付け加えた。

<激しい空爆の波>

シリア人権監視団は、イスラエルによる今回の空爆の波は2025年が始まって以来もっとも激しいものだと述べ、ダマスカス県やその郊外に位置するカシオン山、バルザ区、ハラスター市のほか、イズラア市(南部)、ハマー県(北部)、ラタキア県、そしてクナイトラ県を狙って計20回以上の空爆が行われたと加えた。

同団体はダルアー県東部田園地帯のイズラア市に対する空爆について、装甲車の集結地点およびムースビーン村に配備されているミサイル大隊を標的とするものであったとし、同様にラタキア県田園地帯のシャアラ山の防空大隊も攻撃されたと説明した。

さらにハマー県ではシリア軍に加わっている諸派閥の訓練場が攻撃され、クネイトラ県田園地帯の「トゥルール・フムル」(赤い丘)地域北部にある訓練場も同様に標的にされたという。

<スワイダー県にヘリコプター?>

イスラエルによる空爆の間、イスラエルのヘリコプターがスワイダー県の空港内に着陸したというニュースが広まった。しかし同県の活動家らは『ムドゥン』に対し、その信ぴょう性を全面的に否定した。

ネットワーク「スワイダー24」も、このニュースの拡散が「組織的かつ宗派主義的な扇動キャンペーンの一環として行われた」とみなし、「県上空でヘリコプターの音は聞かれなかったものの、ダルアー県田園地帯で軍事施設を狙った空爆に起因する爆発音は確認された」と確認した。

同ネットワークは、援助物資の配布シーンを映したものとして流布しているビデオクリップは、「スワイダー市でのものではなく、イスラエルが直近で占領したシリア国内の地域でのもの」であり、その内容が「イスラエル軍が様々な層の住民に救援物資を配布する活動を行っているところ」であると説明した。また同ネットワークは、スワイダー県内には同県の名前を冠した空港がないことを確認した。

これらの空爆は、ダマスカスの大統領官邸付近を狙った別の空爆が実行されてから、数時間後に行われた。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は金曜日夜、イスラエル軍がダマスカスの大統領官邸近辺に対して行った作戦について、「シリア政権に対する明確なメッセージであった」と述べた。

ネタニヤフ首相はアシュラフィーヤ・サフナーヤー町とジャルマーナー市におけるシリア軍とドゥルーズ派武装集団の間の緊張に言及しつつ、「シリアのドゥルーズ派を守る」決意を表明し、「我々は彼らを危害にさらすことを許さない…そして彼らを害しようとするいかなる試みに対しても断固として対応し続ける」と述べた。この緊張は、現在スワイダー県にまで広がっており、そこでは未知の集団と地元のドゥルーズ派派閥の間で衝突が発生している。


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翻訳者:鈴木美織
記事ID:60064