イエメン:米大統領がイエメン国内での爆撃を停止すると発表
2025年05月06日付 al-Mudun 紙

■トランプ大統領がイエメンへの攻撃を停止:非常に重要な発表を約束
【本紙】
米国のドナルド・トランプ大統領は、来週の中東訪問を前に「非常に重要な発表」を約束したが、その詳細を明かすことは避けた。
米国大統領は火曜日、ホワイトハウスで、カナダのマーク・カーニー首相との対談中に、「それ(訪問)の前に、大変重要な発表を行うだろう。内容は明かさないが、極めて前向きなことだ」と述べた。加えて、「特定の主題に関する近年の発表のなかで最も重要なものの一つになるだろう」と述べたが、詳細については全く明かさなかった。
続けてトランプ大統領はフースィー派が「降伏した」と述べ、イエメンに対する米国の爆撃を「即時」停止すると約束した。そして「フースィー派はもう戦闘を望まないと宣言した。単に、彼らはもう戦いたくないのだ。そして我々はそれを尊重する。我々は爆撃を停止し、彼らは降伏したということだ」と付言した。
トランプ大統領は来週5月13日から16日まで、サウジアラビア、カタール、UAEを訪問する。これは大統領にとって、2期目の大統領任期における初の長期外遊となるが、以前はフランシスコ前教皇の葬儀への出席のためローマを短期訪問している。
<停戦合意>
トランプ大統領が、フースィー派に対する米国の攻撃を終了すると発表した直後、オマーンのバドル・ブーサイーディー外相は今日、フースィー派と米国が停戦合意に達したと発表した。
ブーサイーディー氏は「オマーン国が緊張緩和を目的として、米国およびサナアの関係当局と行ってきた直近の協議・接触の結果、この努力は両者間の停戦合意というかたちで結実した」とし、加えて「今後、紅海やバーブ・マンダブ海峡において、米国の船舶を含め、双方が互いを標的にすることはなくなるだろう」と述べた。
一方イスラエル公共放送協会の「カン11」は今日夕方、米国大統領がフースィー派への攻撃停止に関する発表を行ったことは、イスラエルの当局者らを驚かせたと報じた。またイスラエルメディアは、イスラエルの政治家らはこの件について事前に知らされていなかったと伝えた。
<サナア空港への空爆>
今日早朝、イエメンのアンサールッラー(フースィー派)に対する新たな緊迫化の局面において、イスラエル軍機がサナア国際空港への激しい空爆を開始した。同派傘下の保健省によると、この攻撃により3人が死亡し、38人が負傷したという。
この攻撃はイスラエル軍が空港近隣とその周辺区域の民間人らに対し、「直ちに避難」するよう呼びかけ、そしてその地域に留まることは「身を危険にさらす」と警告したのちに始まった。また同軍は作戦実行の直前に、攻撃範囲を定めた地図を公表した。
イエメン領土内で実施されたこの攻撃には数十の軍機が参加した。これは、米国との調整のもとで、フダイダ港とその周辺の工業地帯を標的として行われた空爆からたった1日後に実行された。
空爆はサナア北部にあるバニー・ハーリス地区のザハバーン中央発電所も標的とし、首都北部にあるアムラーン・セメント工場への一連の空爆も行われた。これらは先週日曜日にフースィー派が発射し、イスラエルのベングリオン空港付近に着弾したミサイル1機による攻撃への報復として行われた。
<イスラエルの発表>
イスラエル軍は今日、イランの支援を受けるフースィー派が2日前にテルアビブの空港を攻撃したことへの報復として、サナア空港と、首都で同派が使用している複数の中央発電所を爆撃したと発表した。
イスラエル軍は声明で、「空軍は少し前に、サヌアの中央空港で、フースィー派(テロリスト)体制に属するインフラを攻撃して破壊した。またサナア地域にある複数の発電所に対する攻撃も実施された」と述べた。また声明によると、軍の空爆はセメント工場も標的としたという。
<カッツ氏:イランは報いを受けるだろう>
一方イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は、「イランは、その同盟者であるフースィー派によるあらゆる攻撃の『完全な』報いを受けるだろう」と述べた。同氏は今日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相との共同声明で、「これはイランというタコの頭に対する警告だ。お前は、腕であるフースィー派がイスラエルに対して行うあらゆる攻撃に関して全責任を負っている。そしてその完全な報いを受けるだろう」と述べた。
一方でフースィー派に属するメディアは、空爆が空港を直接狙ったものだったと述べ、これを「イスラエルの侵略」と表現した。
<3人死亡、38人負傷>
イエメンの『サバ』通信とチャンネル「マスィーラ」は空爆により3人が死亡したと報じた。一方フースィー派傘下の保健省は、「サナア空港とアムラーン・セメント工場、アスル地域およびハズィーズ発電所に対するイスラエルの侵略により3人が死亡、38人が負傷した」と発表した。
同省はまた、昨日月曜日にも行われたイスラエルの空爆により4人が死亡したほか、39人が負傷したと発表した。目撃者らによると、その際バージル地区のセメント工場では大規模な火事が発生したという。
サナア空港の責任者は、(イスラエルによる最新の)空爆は「サヌア国際空港の全体的な破壊をもたらした」と述べた。さらに「サナア空港にあったイエメン航空の航空機7機のうち3機が破壊された」と指摘し、「サヌア国際空港は完全に破壊された」と付言した。
複数の地元筋によると、攻撃はフダイダ市のサルハーナ地区とハワク地区のほか、フダイダ港内の重要施設にまでおよんだという。3つの地元筋は、フースィー派が空爆直後に港とセメント工場の周辺地域を封鎖したと明かした。
別の2つの消息筋は、フダイダ港の5つの岸壁、倉庫、税関区域のうち70%が被害を受けたと推定している。また同港の従業員は、空爆は2隻の船が荷下ろしされていた際に起き、これにより海上運航が完全に停止したと明らかにした。
フースィー派はこれら空爆への報復を誓った。同派の政治局は声明で、「イスラエルと米国の侵略は報復なしには済まされないし、イエメンがガザへの支援の継続という立場を崩すこともないだろう」と述べた。
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翻訳者:鈴木美織
記事ID:60097