エジプト:ファトワー規制法案をめぐり、ジャーナリスト・シンジケートが修正を要求
2025年05月11日付 al-Quds al-Arabi 紙

■エジプト・ジャーナリスト・シンジケートの代表が、ファトワーの規制に関する法案の拘禁刑の撤廃を求める
【カイロ:ターミル・ヒンダーウィー、本紙】
エジプト・ジャーナリスト・シンジケート(EJS)のハーリド・バルシー代表は、政府が議会下院に提出したファトワー発行規制法案の第8条に規定されている、ファトワーの出版・公表を通して行われた犯罪に対する拘禁刑の撤廃を求めた。
EJSの代表は、エジプト議会下院のハナフィー・ギバーリー議長に送った書簡の中で、ファトワーの出版・公表を通じた犯罪の場合、「6か月間の拘禁刑もしくは5万エジプト・ポンド(EGP)以上10万EGP以下の罰金に処し、またはこれらを併科する」と定めた法案の第8条に反対する意思を表明した。これは、エジプト憲法第71条、並びに2018年の報道・メディア規制法第180号29条に明らかに違反すると断言した。
バルシー代表は書簡の中で、「憲法と法律は、出版または公表を通じて行われた犯罪に対して自由刑を科すことを禁じている。このように、エジプトのジャーナリズムとメディアの自由は憲法により保障されている」と主張した。
そして、ジャーナリズムの独立性を脅かし、情報の伝達と世論の形成というメディアの役割を疎外するものであるとして、法案の第8条で規定されている拘禁刑の削除を求めた。
同代表は、この要求は、憲法上の権利としての「表現・報道の自由」を守り、公共の利益に資する形で建設的な社会的議論を促進することが重要であるという信念に基づいていると強調した。
その上で、「すべての関係者の権利を守り、エジプト憲法の原則を尊重し、その枠内でバランスの取れた法律を制定・運用するために、これらの意見が議会下院の注目を集め、支持を得ることを望む」と表明した。
若手議員と政治活動家の連携調整委員会(CPYP:The Coordination’s Committee of Party’s Youth Leader and Politicians)のアミーラ・アーディリー議員は、自由刑を削除するためにファトワー規制法案第8条の修正案を提出したことを明らかにした。
また、「報道の自由を守り、出版・公表を通じて行われた犯罪に自由刑を規定することの不当性を訴えるために、憲法第71条及び2018年の報道・メディア規制法第180号29条に基づき、国民の自由を奪う罰則を削除したファトワー規制法案第8条の改正案を提出した」と投稿した。
エジプト議会下院は日曜日、内閣から提出されたファトワー規制法案について審議を続けた。
議会下院宗教委員会のアリー・グムア委員長は、この法案は過激なファトワーに対坑することを目的としていると述べた。
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翻訳者:田中友萌
記事ID:60118