日本人考古学者・大村、死去-エミネ・エルドアンからお悔やみ

2025年05月20日付 Hurriyet 紙

長年にわたりカマン・カレホユック遺跡の発掘調査隊長を務め、日本アナトリア考古学研究所の創設者でもある大村幸弘博士が、生活の拠点としていたクルシェヒルにて76歳で逝去した。これを受けて、トルコのジェヴデット・ユルマズ副大統領、レジェプ・タイイップ・エルドアン大統領の妻エミネ・エルドアン氏、そしてクルシェヒルのムラト・セファ・デミルユレク県知事が、大村博士の死を忌むメッセージを発表した。

考古学者の大村博士は、1972年からトルコに在住し、1985年以降カレホユック遺跡の発掘調査隊長を務めてきた。博士は長年にわたり病気の治療を受けていた。

朝方、自宅で体調を崩し搬送先のカマン公立病院で手当てを受けたものの、死亡が確認された。

博士は、妻でヤスホユック遺跡の発掘調査隊長でもある大村正子博士とともに、研究所の宿舎で生活していた。

大村博士は、日本の三笠宮殿下の提案と当時のトゥルグト・オザル首相の尽力により、トルコに渡った経緯をもつ。

1985年にカマン郡で自身の調査チームとともに発掘作業を開始した大村博士は、カレホユックのみならず、ヤスホユックやビュクリュカレの発掘調査にも携わっていた。また、「トルコ共和国功労勲章」も授与されていた。

次々と寄せられる追悼のメッセージ

■ジェヴデット・ユルマズ副大統領

クルシェヒルで逝去した日本アナトリア考古学研究所の創設者で考古学者の大村博士に対し、トルコのジェヴデット・ユルマズ副大統領が追悼のメッセージを発表した。

ユルマズ副大統領は自身のSNSで次のように述べている。

「日土友好を象徴する最も重要な人物の一人であり、トルコ共和国功労勲章を受章した大村幸弘博士の訃報に、深い悲しみを覚えています。博士は日本アナトリア考古学研究所を設立し、両国の間に恒久的な心の架け橋を築きました。日本の秋篠宮皇嗣同妃両殿下とともに訪れた、カマン・カレホユック考古学博物館および日本庭園では、博士が半世紀以上にわたりアナトリア考古学に貢献されてきた姿を目の当たりにすることができました。博士の尊い功績と、私たちの共通遺産に対する貢献を、これからも感謝とともに記憶に刻み続けていきます。ご遺族、ご友人、そして学術界の皆様に心より哀悼の意を表します。」

◼️エミネ・エルドアン氏

エルドアン大統領の妻、エミネ・エルドアン氏も、クルシェヒルで逝去した日本人考古学者、大村博士に対する追悼メッセージを発表した。メッセージの中でエルドアン氏は、「大村博士の名は、学術界だけでなく、この地を大切に思うすべての人々の心に生き続けるものと信じています。」と述べた。

エミネ・エルドアン氏は、カマン・カレホユック遺跡の発掘に尽力し、「トルコ共和国功労勲章」を受章した日本人考古学者、大村博士の訃報をうけ、自身のSNSアカウントで哀悼の意を表した。

大村博士の死に深い悲しみを覚えたと述べたうえで、次のように言葉を続けた。

「カマンの地に芽吹いた文化遺産は、大村博士の尽力によって一定の形を成しました。トルコ国民への愛情、謙虚さ、そして学問への忠誠心によって、トルコと日本の人々の心を結びつけてくれました。大村博士の名は、学術界にとどまらず、この地を愛するすべての人々の心に生き続けると信じています。最愛の妻である大村正子博士をはじめ、ご遺族、ご友人の皆さまに、心よりお悔やみ申し上げます。」

◼️ムラト・セファ・デミルユレク県知事

カマン・カレホユックで長年にわたり発掘調査隊長を務め、日本アナトリア考古学研究所の創設者でもある大村幸弘博士の逝去に際し、クルシェヒル県のムラト・セファ・デミルユレク知事も追悼の意を表するメッセージを発表した。

メッセージの中でデミルユレク知事は、トルコの考古学界に大きく貢献し、カマン・カレホユックの発掘にその生涯を捧げた大村博士の訃報に深い悲しみを覚えたと述べた。

また知事は大村博士がその人生を、学問、人類、そして文化遺産の発掘に捧げてきたと強調し、次のように語った。

「大村博士は、わが国にとって貴重な友人として、多くの人々の心の中で特別な存在となりました。カマンでの考古学調査を通じて、私たちの歴史的な豊かさを明らかにするだけでなく、トルコと日本の友好関係の絆を強めることにも貢献されました。博士は、単なる研究者ではなく、その心でこの土地に深く結びつき、私たちの文化に真摯に奉仕してくれた『アナトリアの友』でした。妻の大村正子博士をはじめ、ご親族、調査のお仲間、日本国民、そして学術界の皆さまに心よりお悔やみ申し上げます。」

また、デミルユレク県知事は、日本アナトリア考古学研究所を訪問し、大村博士の遺族および関係者に弔意を伝えた。


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翻訳者:金子萌
記事ID:60172