クレムリン、イスタンブルに期待

2025年05月30日付 Hurriyet 紙

クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアがイスタンブルに特使を派遣し平和交渉の準備ができていると発表した。ペスコフ氏は、ロシアの代表団は6月2日にはイスタンブルにいると明らかにした。一方でウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は、ロシアが交渉を中断しているとして非難した。

ロシア・ウクライナ間の3度目の交渉に関する発表が素早くなされている。両国は交渉がイスタンブルで実施されると発表しており、またクレムリンからは新たな声明が発出された。

クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアがイスタンブルに特使を派遣し平和交渉の準備ができていると発表した。

ペスコフ氏は、ウクライナとの交渉が「ポジティブな結果」に終わった場合、プーチン大統領との首脳会談が行われる可能性に言及した。

ペスコフ氏は声明の中で次のように述べた。

「ロシアの代表団はイスタンブルへ向かい、6月2日にはウクライナとの新たな交渉に向けた準備が整う。プーチン大統領は原則としては首脳レベルの交渉を望むと何度か言っている。この準備がなされるべきだ。まずは両国の代表団間での直接会合で何らかの結果が得られるべきだ。ポジティブな結果が得られれば、首脳レベルの交渉について話せるだろう」

■交渉の席で何が話し合われるのか?

報道陣に対応したペスコフ氏は、ウクライナと交渉するロシアの代表団が話し合う内容を明かした。

ペスコフ氏はその内容を次のように列挙した。

・ロシア政府はロシア・ウクライナ間の停戦合意案を、イスタンブルでの交渉で取り扱うことを望んでいる
・準備が続いている一時停戦の諸条件において相互合意に到達する
・黒海の安全保障についてもイスタンブルでの交渉で話し合う
・プーチン氏・ゼレンスキー氏・トランプ氏による会談に向けた準備が必要だと主張する
・停戦合意案の詳細は一般公開されない

■ゼレンスキー氏、ロシアを非難

ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は、ロシアが交渉を中断しているとして非難した。

ゼレンスキー氏は声明の中で「ロシアはイスタンブルでの停戦合意を決着させないためにあらゆることをしている。ロシアから我々に対し、平和に関するいかなる書類も届いていない」と述べた。

一方、ゼレンスキー氏はトルコの外交上の動きについても言及し「トルコとの外交関係活性化に向けた協力には価値があると考える」と述べた。

■「米国は代表団派遣を考えていない」

3月16日の会談には、米国のマルコ・ルビオ国務長官、在アンカラ大使のトム・バラック氏、ドナルド・トランプ大統領の特使キース・ケロッグ氏が参加した。

アトランティック紙の報道によると「米国はイスタンブルでのウクライナ・ロシアによる会談に代表団を派遣することを考えていない」とのことだ。

■ハカン・フィダン外相「エルドアン大統領の主催で会談が可能」

ハカン・フィダン外相はウクライナ訪問の際、ウクライナのアンドリー・シビハ外相と会談した。1対1の会談の後、代表団同士の会合が行われた。

会合の後の会見で、フィダン外相は次のように述べた。

「イスタンブルでの会談は外交上の解決策の模索に新たな段階をもたらした。停戦と平和への希望が高まった。イスタンブルでの会談を新たな始まりとして評価する。イスタンブルでの捕虜交換の合意が早期に完了し、交渉の具体的な成果が得られることを確信した。イスタンブルでついた勢いが継続することを望んでいる。交渉がどこで行われるかよりも、戦争への道を開いた破壊と人道的な惨劇を終結させることに焦点を置いている。両者がイスタンブルで基本決定した事項をもとに、次の交渉がなされることが可能だと考えている。このため、次の会合への準備ができていることを強調したい。この後の段階では、エルドアン大統領の主催でトランプ大統領、プーチン大統領、ゼレンスキー大統領による指導者4人での会合をイスタンブルで開催する栄誉も可能だと考えている。トルコの立場からは、対話を通して公正かつ恒久的な平和を速やかに実現し、戦争を終わらせることが唯一の道だ。戦争では決定的に道が分かれてしまう。5月16日、イスタンブルでの交渉で私が強調したように、我々の眼の前の道は2つ存在する。戦争に対して目を瞑るのか、あるいは今年中に恒久的な平和を実現するのか、だ」


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翻訳者:神谷亮平
記事ID:60230