アルジェリア:試験での不正行為に最大15年の懲役刑
2025年06月01日付 Al-Nahar 紙
■試験の直前に...不正行為者に対する懲役刑の設置が論争を引き起こす
【本紙】
アルジェリアの行政、治安および司法機関が下した決定をめぐって論争が巻き起こっている。この決定は、2024-2025年度の学年末試験を受ける予定の生徒で、不正行為に関与したものに対して厳しい取り締まりを行い、特に最長で15年の拘禁刑を下すことを内容とする。
アルジェリアでは、6月1日から行われる中等教育の修了試験および6月15日から行われる高等教育の修了試験に備えて、公式試験における不正行為に対する取り締まりキャンペーンの強化が実施された。
かつて教育省の管轄事項であった試験における不正行為対策業務は法務省に移管され、同省は司法評議会のムハンマド・カマール・ブーディヤーフ検事総長を通じた研修会を開いた。研修会では「電子機器の不正利用からデジタルプラットフォームの悪用、SNSを通じた情報漏洩に至る、急速な技術発展にともなって出現した試験における不正行為の新たな手口」が検討されたうえで、「これらに対応するために法的枠組みを強化する必要性」が確認された。
ブーディヤーフ氏はこれを踏まえて、「最新技術を用いた不正行為の摘発・監視システムの開発」や「司法、教育、治安機関の包括的で統合的な連携」、「この犯罪の新形態に対処できるようにするための専門研修プログラムを通じた、司法および治安機関のチームの能力強化」を強調した。
(新たなガイドラインによると)試験前、もしくは試験の間に学年末試験の問題や解答を拡散、漏洩したすべての者は1~3年の懲役および10万~30万(アルジェリア・)ディナールの罰金が科される。また特定の違法行為によって試験の部分的にあるいは全体的に中止となった場合、5年から10年の懲役および100万ディナール相当の罰金が科される。さらに違反の内容や事案が重大とみなされた場合、7~15年の懲役および70万~150万ディナール(7,000米ドル)の罰金が科される可能性もある。
試験での不正行為に対する取り締まりの強化はアルジェリアで論争を巻き起こした。この取り締まりの強化は、試験における公正と成功を担保するために重要であるとの声がある一方で、こうした厳格化が受験生に対して悪影響を与えるとみる人々もいる。
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翻訳者:清久功介
記事ID:60243