モロッコ:反体制グループに対するスパイ活動によりドイツでモロッコ人男性が起訴

2025年06月05日付 al-Quds al-Arabi 紙

■反体制グループに対するスパイ活動によりドイツでモロッコ人男性が起訴

【カールスルーエ:諸通信社】

ドイツの検察当局は木曜日、モロッコのために反政府活動家らに対するスパイ活動を行った疑いのある男性を起訴したと述べた。

ドイツ連邦検察局は同国のプライバシー法に基づき、ユースフという名の男性が、2022年1月からモロッコの反体制グループ「リーフ運動」の支持者らに対してスパイ活動をしたとの疑いをかけている。モロッコ北部のリーフ地方で出現した同運動は、社会・政治改革を求め、在外のモロッコ人コミュニティの間で支持を得ている。

ドイツ通信社(DPA)によれば、この男性の起訴は今年5月にデュッセルドルフ地方高等裁判所に提起された。

ドイツ西部のカールスルーエ市の検察当局によれば、この男性は昨年12月にスペインで逮捕されたのちドイツに送還され、1月から勾留下に置かれている。

これに先立ちドイツ当局は、男性がモロッコの国外諜報機関(DGED)のためにスパイ活動に加わっていた疑いがあると述べていた。

モロッコの治安筋が伝えたところによると、モロッコは当時、スパイ活動の容疑で逮捕された当該人物が自国の機関と関係していることを否定し、彼を「モロッコ王国に対する憎悪的な立場」を有する「過激派の活動家」であるとみなした。

フランス通信社(AFP)によると、同治安筋は、「このモロッコ人は自国の諜報機関とは一切の関係もなく、こうした機関のために情報を集めたことも全くない」と確認した。

当時詳細を公表したカールスルーエの連邦検察局によれば、モロッコ国籍の男性が、少なくとも2022年1月からスパイ活動に関与していた疑いがあり、彼はリーフ運動のドイツ在住メンバーあるいは支持者についての情報を集めていたことが主張された。

ドイツのニュースサイト「NTV」によれば、この被告人は、2024年12月1日に、スペインで欧州逮捕状によって逮捕された。その後法的手続きを経て、2025年1月にドイツへ引き渡された。さらに被告人には、ドイツ連邦司法裁判所の命令により、捜査を続けるため、被疑者勾留がなされた。彼がフランクフルト空港に着いたのち、ドイツ連邦最高裁判所の捜査判事は、他の容疑者との協力を捜査するため、彼の被疑者勾留を命じた。

捜査によって、被告人が、2022年11月にドイツ西部のケルン市で逮捕されていたもう1人の容疑者と協力していたことが指摘された。のちに執行猶予付きの1年9か月の懲役刑を宣告されたこの共犯者は、モロッコの諜報機関から、同じ反体制グループについての情報収集を命じられていた。また捜査は、容疑者の全員が、運動のメンバーに関する情報を共有し、それらの情報をモロッコの諜報機関高官らへ送っていたことを明らかにした。

検察によれば、モロッコ諜報機関は容疑者らに対し物質的支援を行い、また5,000ユーロに達する金額の彼らの渡航費を負担したものの、その一部は私的な目的で利用されたという。


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:庄司陽
記事ID:60268