エジプト:刑務所で女性面会者への性的嫌がらせが常態化
2025年06月10日付 al-Quds al-Arabi 紙
◾️エジプトのある刑務所で女性訪問者に対する人権侵害の訴え
【カイロ:本紙】
拘禁による苦しみは、刑務所に収監されている人々にとどまらず、その家族にも及んでいる。エジプト人権ネットワークは、エジプト中部のミニヤー県にあるミニヤー厳重警備刑務所を訪れる女性たちに対する重大な人権侵害に関する苦情が増加していることを記録した。
同ネットワークは、刑事受刑者および政治犯の家族や親族からの、直接的かつ衝撃的な複数の証言を含む報告書を公表した。報告では、彼らがミニヤー厳重警備刑務所での面会時に受けている重大かつ非人道的な侵害について述べられており、特に身体検査の際に、それらの侵害が行われているとされている。これは、多くの人々によって、法律的にも人道的にも一切の基準に達していない、「偽装された性的嫌がらせ」と形容されている。
「小さな娘たちが前回の身体検査で受けた仕打ちを思うと、私の心は、再び父親に面会に行かせるのに耐えられなかった。あの検査は茶番で、私の心は娘たちの痛みの前にまず痛んだ。」この言葉は、ある女性訪問者から同ネットワークが入手した証言の一つに含まれている。そこには、ミニヤー厳重警備刑務所で父親に面会する際に、彼女の幼い娘たちが身体検査によって、屈辱的な精神的苦痛を受けたことが記されている。
また、受刑者の妻は自身の証言の中で、ミニヤー刑務所での女性訪問者への身体検査に関して苦情を申し立てたいとの意向を表明した。
彼女はまた、女性訪問者たちが2度身体検査を受けさせられていると指摘し、「これはまさに侮辱の極みであり、無礼きわまる行為だ。行われているのは検査ではなく、侮辱であり、倫理も人間性も完全に欠けている」と述べた。
さらに続けて、「私たちは非常に屈辱的なやり方で身体検査を受けさせられていて、もし抵抗しようものなら、罵倒され、侮辱を受ける。しかも、検査に使われる手袋は、女性訪問者全員に対して同じものが使い回されている。職員たちの応対はどれも高圧的で、まったく敬意が感じられず、まるで家族を侮辱しようとしているかのようだ。父親や兄弟に会いに来た子どもたちでさえ、服を脱ぐよう強いられ、彼らの精神状態は悪化している」と語った。
(後略)
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翻訳者:新階 望乃
記事ID:60292