シリア:ダマスカスで推進されつつある男女の分離措置
2025年06月20日付 al-Mudun 紙

■ダマスカスのエレベーターで男性と女性を隔離!
【ダマスカス:本紙】
女性弁護士のアフド・フージャー氏はSNSで拡散された動画内で、新たな依頼書類に関する公式手続きを行っていた際に、ダマスカスの財務局建物にあるエレベーターの使用を妨害されたことを証言した。フージャー氏は、エレベーターの中にいた男性のうちの1人から、彼女が乗っているエレベーターを作動することを断られ、(男女の)混合を避けるという名目で、エレベーターから降りて「女性専用」の別のエレベーターに乗るよう要求されたと語った。
同氏が拡散した動画の一部には、建物内で女性専用エレベーターと男性専用エレベーターを明確に分ける標識が写っていた。
同氏はその際、男性の要求に応じることを拒否し、彼に対して「もし私と一緒にいたくないのなら、あなたが降りればいい」と伝えたとし、このような行為は看過できない職業差別が含まれていると述べた。
そして同氏は「このような分離が、女性の快適性のためであるとか、これは物議を醸すほどのことではないなどという人が出てくるだろうことは分かっています。しかし私は単に女性としてだけではなく、弁護士として職業的義務を遂行するためにここにいるのです」と付言した。
「女性の快適性のため」という差別行為を正当化するために普及している考えは、依然として危険かつ有害であり続けている。なぜなら本当の快適性とは、そもそもこのような区別によってもたらされるのだからだ。この区別とは、男性でなく女性に対してだけ、自身に起こるかもしれないことを警戒し、またある者が女性たちに対して引かれたレッドライン(それはもちろん、場合によって容易に変わりうる)を「彼女たちが超えた」と告発した場合に限って、受けうる罰に備えることを余儀なくさせる類のものである。
シリアでは2024年に前政権が崩壊して以降、このような慣行がしばしば見られるようになった。国家機関やダマスカスなどにある公共施設でジェンダー差別の風潮が蔓延しているのである。それらの一部は「快適性」もしくは「社会的慣習」という名目のもとで公に実践され、その他についてはイスラーム法の規定に対する厳格な解釈に基づいた宗教的カバーのもとで行われている。
シリア国内のメディアは今年の1月、「ザジャール国内交通社」が「公共バスに両性分離システムを導入する」意向を有していると報じた。このシステムのもとでは、男性は前方の扉から乗車し、女性は後方の扉から乗車するとされ、同社は過激派組織がイドリブやヒムス、ハマー、アレッポなどの都市を掌握していた時代に、そこで実践されていた試みからこの計画の着想を得たのだという。
今年の4月には、ダマスカスのムワーサー病院が、従業員送迎バスにおいて、女性に後部座席に座るよう求める一時的な分離措置を実施した。その後に従業員による抗議が行われたため、まもなくこの措置は一部撤回された。しかしいくつかのメディアが報告したところによると、同病院の一部の部門では依然として隔離措置が続けられており、またダマスカスの他の病院でも同様にエレベーターにおける隔離措置が実施されているという。
個人の自由の保護や、あらゆる形態の差別の禁止を明確に定めた「移行期憲法宣言」が5月13日に採択されたにもかかわらず、ジェンダーに基づく分離の実施を取り締まる指示は全く出されていない。同時に、現状の法制度は、公的機関であれそのサービス施設であれ、そこで社会的性質に基づく差別行為を行ったものに対して責任追及を行う明確なメカニズムを持っていない。
最近発生した今回の出来事はSNSで大きな波紋を呼んでいる。コメントを投稿した者の多くは、このような措置が、道徳や宗教の装いのもとで、男性優位的な社会を再生産し、女性の職業的専門性、また公共の空間における能動的な市民としての社会的地位の後退を引き起こすと述べている。
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翻訳者:清久功介
記事ID:60353