シリア:クルド国民評議会は「アラブ・ベルト」問題の解決を要請

2025年06月25日付 al-Quds al-Arabi 紙

■シリアのクルド人はシャルア氏との面会期日を待ち続け、「アラブ・ベルト」問題の解決を要請する

【ダマスカス:本紙】

シリアの「クルド国民評議会」の報道官であるファイサル・ユースフ氏は本紙に対する声明のなかで、統一クルド使節団は依然として、アフマド・シャルア・シリア暫定大統領との面会の日程調整のために提出した要請に対する返答を待ち続けていることを明らかにした。この面会は使節団がダマスカスを訪れ、新政府との対話を開始することを目的としている。

同代表団は同時に、人民議会選挙最高委員会が公表した選挙システムを批判した。というのも同委員会は、2011年以降シリア国籍に復帰した約40万人のクルド人から、選挙権をはく奪したためである。

さらに、「アラブ・ベルト」計画によってもたらされた影響を取り除くために国民対話を通じた取り組みを行い、正当に所有権を有する人々に土地を返還すること、そしてそこから追い出された人々に対して国籍を与え補償を行うことによって、1962年に行われた人口統計による影響を断ち切ることを要求した。

「アラブ・ベルト」

昨日は「アラブのベルト」計画が始まってからちょうど51年目の節目の日であった。アラブ社会主義バアス党地域指導部は1974年6月14日、シリアとトルコの国境沿いの数百キロメートルに及ぶ地域にアラブ人コミュニティを定住させた。

ユースフ氏は、問題は私有財産権と結び付いており、農業改革法によって被害を受けたクルド人は数千人にのぼり、彼らの財産は没収されたと述べた。さらに、「シリアの歴史において新しい局面を迎えた今日、我々は、トルコとの国境沿いのラアス・アインからアイン・ディーワールのクルド人地主の土地が没収されたことで全ての人々に損害を与えた、それらの法律の見直しを求める」と述べた。

同氏は「旧政権によって、アラブ人も元々住んでいた村や地域から我々の地域へと連れてこられたために、今日この土地の上で暮らしている彼らもまた被害者です。我々が求めていることは、現在彼らが住んでいるこれらの村から彼らを追い出すようなビジョンを通してではなく、包括的な国民対話を通してこの問題の解決に至るということです。

さらに「我々は前政権のもたらした影響や重罪について承知しており、土地を占領された被害者の窮状に対応するために、移行期正義を通じた公正かつ公平な解決の達成を望んでいます」と付言した。

(後略)


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:清久功介
記事ID:60391