戦争の指揮官は最高指導者である|イラン国内のスパイへの懸念

2025年06月16日付 Hamshahri 紙

 対イスラエル戦争のイランの作戦指揮官は現状、偉大なる最高指導者アーヤットッラー・ハーメネイー師である。この状況の中、同師は、交渉においてイランを優位に立たせるために軍事作戦を続行しよう、などという浅はかな考えは持っていない。

【ハムシャフリー電子版】モハンマドアリー・サノウバリー;国際政治アナリスト
 対シオニスト政権[イスラエル]戦争のイランの作戦指揮官は、[軍最高司令官がイスラエルにより殺害されたことを受け]現状、偉大なる最高指導者アーヤットッラー・ハーメネイー師である。この状況の中、同師は、交渉においてイランを優位に立たせるために軍事作戦を続行しよう、などという浅はかな考えは持っていない。アメリカとの交渉はすでに終わっており、もし交渉が行われることになる場合、イスラエル軍が要求するであろう停戦に関するものとなることを指摘せねばならない。そして、最高指導者が反対するなか、政府の圧力で行われた交渉はほとんど決裂状態にあることを認識する必要がある。最高指導者は現在、指揮官の任命や、彼らが業務を把握するまでにかかる時間に注意しながら自身で戦争の指揮をとっている。

 イランは現在まで、金曜日[13日]朝のイスラエルの攻撃に対する報復の大部分を果たしている。したがって、イランのシオニスト政権への反撃の程度は、自身[シオニスト政権]の措置次第である。彼[ネタニヤフ]が自身の犯罪的な行動を続ければ続けるほど、イランもまたそれに応えるだろう。場合によっては、その行動は、シオニスト政権の崩壊にまで至りうる。

 ネタニヤフは金曜日[13日]の作戦の数時間後、自身の軍事作戦を『ライジング・ライオン』作戦と名付けた。この攻撃は、彼らにとって “ユダヤ人の復興”に関わるものだ。言い換えれば、彼らはついに最後の手段に訴え、イラン・イスラーム共和国を終焉させようとしている。彼らはイランを終焉させるため、イランの人々に大通りに出て、暴動を起こすよう望むほどに焦っている。彼らは結果がでるまでこの戦争を続けるだろうが、イランも同程度の報復を行い、強力な対応を続けることを覚えておく必要がある。

 今日、シオニスト政権は破滅に追いやられ、泥水の中でもがくような厳しい状況にある。人々は、イスラエル・アメリカと戦争になった場合、我々にとって極めて困難な状況になるだろうと言っていた。しかし、我々は、アメリカがイエメンと戦った際[2025年3月の、アメリカによるイエメンへの攻撃のこと]、成果がなかったことを知っているし、イスラエルがイラン人との戦いの中で厳しい状況に追い込まれているのは、今に始まったことではない。イランが昨晩[6月14日]イスラエルに与えた打撃は非常に大きい。占領地[イスラエル]に最大規模の破壊を与え、彼らを窮地に追い込んだ。

 イランは軍事力の観点から、現在のところ優位に立っている。しかし、イスラエルは欺瞞を用いて、別の形[軍事力でない形]で道を歩んで行こうとしている可能性がある。そしてこの状況の中、残念ながら、一部のスパイの存在がイランにとって懸念要素になりうることを心にとどめておく必要がある。


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翻訳者:NK
記事ID:60395