イスラエル:イスラエル人捕虜の家族らがスモトリッチ財務大臣を非難

2025年06月30日付 al-Quds al-Arabi 紙

■イスラエル人捕虜の家族ら「スモトリッチはガザでの永遠の戦争のなかで我々の子供たちを見捨てた」

【エルサレム:アナトリア通信】

イスラエルの捕虜の家族らは月曜日、ベザレル・スモトリッチ財務大臣が、仲介者らを見捨ててハマースとの合意締結を拒否するよう求めたことを受け、同氏を攻撃した。また、同氏が、捕虜の家族らを見捨て、包囲されたガザ地区での「永遠の戦争」を主張していると非難した。

そして今日早朝、スモトリッチ氏は極右政党である宗教シオニスト党の会合で、「この戦争は、仲介者や合意なしに、しかしハマースの壊滅と拉致被害者の帰還とともに、勝利によってのみ終結しなければならない」と述べた。

イスラエル放送局は、スモトリッチ氏がベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、「殺人者との対話はない」と述べたと報じた。

この過激派大臣は、イスラエル人捕虜(の解放)を引き換えとした、イスラエルの刑務所にいるパレスチナ人捕虜の釈放を行わないよう求めた。

同氏の発言がなされたのは、米国のドナルド・トランプ大統領がガザでの停戦に向けた合意の実現を呼びかけた声明を出したのちのことだった。

スモトリッチ氏の発言はイスラエル人捕虜の家族を激怒させ、彼らはX上に、「スモトリッチはいつまでイスラエル国民を騙し、危険な考えを広め続けるのか」と投稿した。

さらに、「彼には目的や目標を欠いた永遠の戦争以外に本当の計画はない。しかしそこには、拉致被害者の喪失という悲痛で明確な代償と、イスラエル軍兵士ら生命という重い代償が伴う」と付け加えた。

またスモトリッチ氏がガザへの再入植を呼びかけていることに関して、「彼は一方では、安全保障上の障害はないとしてガザ地区への再入植に賛成の声を上げており、他方ではハマースはまだ敗北していないと主張しつつ戦線拡大を呼びかけている」と評した。

さらに家族らは、「あいまいな勝利に関する幻想や欺まん、最後の致命的な一撃を与えるという無益な考えはもう十分である」と付け加えた。

彼らは最後に、「スモトリッチ氏は拉致被害者の問題を放棄したが、彼は国民を代表しているわけではない。国民の大多数は、イスラエルの完全な勝利は拉致被害者全員を帰還させ、(戦争における)戦闘を終結させる包括的な合意を通してのみ実現することを認識している」と述べた。


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翻訳者:小林友哉
記事ID:60396