シリア:「粗悪」なイラン製品であふれかえるシリアの市場
2025年07月01日付 al-Mudun 紙
■イラン製品であふれかえるシリアの市場...「粗悪品」というやむを得ない選択
【ダマスカス:本紙】
イランとシリアの外交が断絶しているのにもかかわらず、昨今のシリアの市場はイラン製品で溢れかえっている。この状況は、イランからの輸入品に対する監視を強化し、これらの輸入品を必要な規格や基準に適合させることを求める声が上がるなかで、シリア国民の不満を引き起こしている。彼らの不満の原因は、規格に適合しない「粗悪な」鉄筋といった一部のイラン製品の低品質にある。
ある鉄業者が本紙に対して述べたところによると、代替品の不足により、大多数のシリア人はイラン製の材料を取り扱うことを余儀なくされているという。またそれらが安価であるために、輸入業者はイラン製の材料を仕入れることを好む傾向にあると指摘した。
この業者は、トルコ製の鉄は品質および価格の面でイラン製の鉄に勝っていることを明らかにしたうえで、「しかし業者は多額の利益を得るために、イラン製の鉄を輸入しています」と補足した。
さらに「私たちはイラン製の材料を取り扱うことに反対はしません。求められていることは規格への適合体制を強化することと、イランから粗悪品(B級建材)の流入を阻止することだけです。我々のもとには補強工事に適さない大量の鉄がありますが、鉄の供給が途絶えていることや鉄の需要がとても大きいことを考慮して、そのような鉄が流通してしまっているのです」と述べた。
シリア陸上・海上検問所の渉外部長のマーズィン・アッルーシュ氏はこの件に関し、シリアに輸入されるイラン製などの全ての商品に対して、規格に適合しているかどうかの確認が行われていると述べた。また本紙に対して「イランで製造された商品は、シリアへの輸入が許可される前に検問所で検査されます」と付言した。
また本紙が、シリア市場を襲っている「粗悪な」イラン製の素材について質問をすると、同氏はそこには「誇張」があると述べ、シリアにおいてイランについて言及されると生じる「過敏性」について指摘した。
本紙の取材によると、シリアでは建材のほかにも、家庭用電化製品に加えて、一部の食品(炭酸飲料、スナック菓子、ナッツ類、酵母、デーツ)といったイラン製品が流通していることが分かった。
(後略)
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翻訳者:清久功介
記事ID:60398