ギュレン派クーデター未遂事件から9年、ギュレン派が残したものは?
2025年07月15日付 Medyescope 紙
2016年7月15日のクーデター未遂事件は9年前に遡る。当時から現在までにギュレン派から何が残ったのか。トルコはあの日から今日まで、どの地点にいるのか。ルシェン・チャクル氏が論評した。
7月15日のクーデター未遂事件から9年目を迎えた。トルコは当時から様々ことが変わった。ルシェン・チャクル氏によると、この変化は良い方向のものではなかった。
「トルコはより良い国にはならなかった。クーデターが成功していれば状況はより悪化していただろう。しかし我々は非常に重要な機会を逃した。それは、クーデター未遂後にトルコが団結し、民主主義と法に基づいた国家へ進む道をエルドアン大統領が一切考慮せず、反対にこのクーデター未遂を機会に変えたことだ。国を非常事態に陥れ、トルコはそこから回復することはできなかった。クーデター未遂以前の選挙で獲得していた50%ほどの得票率が、直近の選挙では大きく後退した。」
■ギュレン派は何を残した?
ルシェン・チャクル氏は、「もはやこの組織は誰の気にも留められていない。時々軍隊や警察、政府の命令でFETÖに対する捜査が行われる。しかしその他にはトルコにおいて、トルコの国土においてギュレン派の影響はない」と述べた。
刑務所には多くの人がおり、何千もの人々がKHK(非常事態政令)によって解雇されたことを指摘したルシェン・チャクル氏は、「これらの人々は国家から一切許されていない。一方で、ギュレン派は彼らを土台として用いている。つまり、外国にいる組織の幹部はトルコの被害者および被害をプロパガンダの材料としているのだ。以前は自らの言葉を用い活動していたが、今やそのようなものはない」と話した。
■残った組織員は何を提供できるのか
チャクルは以下のように述べた。
「おそらく彼らができる最も現実的な目論見は、野党がトルコでレジェプ・タイイプ・エルドアンの独裁を終わらせ、ギュレン派により寛容な姿勢をとることだが、これ実現可能な夢だとは思わない。エルドアンの支配は終わるかもしれないが、トルコにおいてギュレン派と手を組む者は誰もいないだろう。非常に厄介な経験をしたのだ。ギュレン派にもはや力はない。誰も彼らを信用せず、必要ともしていない。つまり、衰退のなかにある運動なのだ。」
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翻訳者:安孫子織絵
記事ID:60473