エジプト:精神病院の料金引き上げに関する訴訟を呼びかけ

2025年08月26日付 al-Quds al-Arabi 紙
■エジプト:国立精神衛生病院における、サービス費用引き上げ決定の撤回を求める訴訟

【本紙:カイロ】

「私たちの運命は一つ」キャンペーンは、国立精神衛生病院の財政・経営計画を撤回させるための訴訟を起こすと公表した。この財政・運営計画は、2025年にエジプトのハーリド・アブドゥルガッファール保健大臣が発令した第220号決定であり、これにより、精神衛生病院で受けられる医療サービスの料金が軒並み引き上げられた。

同キャンペーンは声明で、新しい料金の適用は今月1日に始まり、診察や治療とは別に、病院に滞在するだけで費用は月あたり1万6000ポンドに達したと明らかにした。

また、料金値上げの決定で被害を受けた精神病患者やその家族らに、エジプト経済・社会的権利センターによって数日中に手続きが完了予定の訴訟に参加するよう呼びかけ、市民社会組織や議員、労働組合がこの訴訟に参加し介入することの重要性を主張した。

元精神衛生事務局の患者権利保護部門長で「私たちの運命は一つ」キャンペーンのコーディネーターであるアフマド・フサイン医師は、訴訟の参加者にはいかなる金銭的負担もかからないと述べた。そして社会に対する関心と義務から、エジプト経済・社会的権利センターがボランティアでこの訴訟を引き受けると明らかにした。

フサイン氏は参加を希望する患者やその家族、市民集団、国会議員、労働組合に対して、連携のため、同センターかキャンペーンに連絡するよう求めた。

同氏は精神衛生病院が提供するサービスの料金引き上げが、患者の治療への躊躇につながると強調した。エジプトにおける依存症の割合が3.1%に、そして精神疾患に苦しむ住民が25%に上昇する中、これは社会全体への現実的な差し迫った脅威を意味するとした。

さらにこの訴訟は同キャンペーンがそれを阻止するために尽くす手段の一つだと主張した。

新しい財政計画は、患者の滞在費用がレベルにより1日150ポンドから550ポンドの間で変わることを定めている。そしてこれには医療サービスや治療の費用は含まれていない。障碍者の診察費用は200ポンドに引き上げられ、精神病患者や依存症、自閉症患者のための専門クリニックでの診察券は20ポンドである。

また「私たちの運命は一つ」キャンペーンは健康問題の討議やその解決策定に参加するため、2017年11月に始まったキャンペーンであると述べた。


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翻訳者:田中友萌
記事ID:60702