レバノン:シリア人避難民の生徒受け入れをめぐる問題とユニセフの支援
2025年08月27日付 al-Mudun 紙
■10万人におよぶシリア人生徒がレバノンの学校に通えないおそれ
【本紙】
教育省における優先事項は、来たる9月15日にレバノンの生徒らのために学期を開始することである。シリア人生徒に関しては、事態は非常に複雑であり、今年、約10万人の生徒が教育を受けられない可能性がある。リマ・カラーミー教育大臣は数日前にシリア人生徒に関して、前学期からのいかなる変更を提示しないつもりであるが、依然として政府から発出される決定を待っていると公表した。しかし実際は、シリア人避難民の生徒の規模といった問題については、事態は単なる政府の決定よりも複雑なものとなっている。
事情に通じた複数筋が本紙に伝えたところによると、カラーミー大臣の広報室は、レバノン人生徒らの学期が始まったのち、政府が変更の決定をなさないかぎり、シリア人生徒らには前年と同様に公式登録がなされる予定だと明らかにした。同複数筋はさらに、カラーミー大臣はシリア人生徒らの登録に関するガイドラインの発行を遅滞していると付言した。ここ対象で対象とされているのはシリア人避難民の生徒らであり、レバノンへの正式な滞在資格を持つ生徒らではない。
難民書類の不更新
シリア人生徒の問題は多面的で、自主的帰国の決定とレバノン政府が発する事項とが結びつくようになっている。国連難民高等弁務官事務所は昨年、難民(証明)書類に対して、これまでそうであったような3年間ではなく1年間の更新を行った。レバノン政府が難民書類に対するもう1年間の更新に同意するかどうかはまだ不明だが、国連内部の複数筋は、更新は今年末までに行われるだろうとみている。またレバノンを支援するために設定された対応計画や、自主的に帰国するシリア人の潜在的人数に関する従来の調査に基づくと、今年末までに約30万人がシリアに帰国することが想定されている。国連難民高等弁務官事務所に対しては、特にそれが2016年以来更新されていないなかで、シリア人避難民数にかかわる数値やデータを見直すよう圧力がかけられている。難民書類の更新は同事務所の対応や、シリア政府が避難民の帰国に関して出す発表に結びついている。
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翻訳者:田中友萌
記事ID:60707