
トルコ大国民議会(TBMM)本会議は、イスラエルによるガザ侵攻や、パレスチナの人々に向けたジェノサイド、不正義、政策的饑餓といった現地の状況を審議するため、トルコ大国民議会のヌーマン・クルトゥルムシュ議長を議事進行役として臨時会議を開いた。イスラエルがガザの侵略行為を拡大させる決定をして、人道的罪を犯し続けているとしたクルトゥルムシュ議長は、「我々の目の前で、市民が殺されている。餓死させられているのだ」と述べた。
トルコ大国民議会のヌーマン・クルトゥルムシュ議長は、「今日は、実効的な措置を直ちに講じ、イスラエルがジェノサイド政策から脱却・放棄するまで、国連を含めたあらゆる国際組織への加盟資格を棚上げすることを提案し、国際組織に申し述べる」と語った。
TBMM本会議は、クルトゥルムシュ議長を議事進行役としてイスラエルによるガザ侵攻や、パレスチナの人々に向けたジェノサイド、弾圧、政策的饑餓といった現地の状況[審議]により召集された。
クルトゥルムシュ議長は、臨時会議の召集通達を読み上げ、本会議の開会演説を行い、イスラエルがガザやパレスチナ全土で行ってきたジェノサイドや不正義、中東地域での武力攻撃と拡張主義的な活動について、第28立法会期にトルコ大国民議会本会議として6つの共同声明と議長覚書が受理されたことに触れた。
同議長は、今日もイスラエルによるパレスチナ国民への武力攻撃が強まっており、ガザでは饑餓が抹殺兵器として利用されジェノサイドの新たな局面を迎えているが故に、そしてガザを完全併合する[イスラエルの]企図について議論するために集まったと述べた。イスラエルが何十年に渡ってパレスチナの人々に行ってきた占領・抹殺・併合政策が、ここ2年間はジェノサイドの範疇を遥かに越えており、もはや議論だけでは立ち行かない段階にあると強調した。
「シオニスト・イスラエルが行ってきたことは、弾圧、残虐、蛮行、大虐殺、ジェノサイドという言葉では説明しきれない」と述べたクルトゥルムシュ議長は、これまでに女性や子供が大半を占める7万人近い人々が殺害され、民間インフラが意図的に標的にされ、学校、礼拝所、病院が卑劣に爆破されたと明らかにした。
同議長は、数日前にはガザ南部のナスル病院を標的とした攻撃で、患者、医療従事者、国際報道関係者を含む数十人の罪のない人々が世界の目の前で殺されたことに触れ、ガザにある36の病院のうち33か所は全壊または深刻な損害を受けたことに言及した。クルトゥルムシュ議長は、「事実上、ガザでは医療サービスは受けられない状況になったのだ」と述べた。
◾️「ガザを早急に再建させなければならない」
空腹や饑餓が、数カ月に渡って罪のない人々への殲滅作戦として利用されてきたことに言及したクルトゥルムシュ議長は、次のように続けた。
「だから、食糧支援の護送でさえシオニストの蛮族により死の罠へと変じたのだ。イスラエルは、ガザの侵略作戦を拡大させる決断をすることで、人道に対する罪を犯し続けている。イスラエルがガザの人々を意図的・恣意的に空腹と饑餓に追い込んだのは、国連やその他の国際組織によって確認されたことである。イスラエルは、直ちに停戦を受け入れ、全軍を撤退すべきである。用意されている人道支援や再建計画を基に、ガザの速やかな再建に着手すべきである。現地の統治はパレスチナの人々に帰するべきであり、安全は国連平和部隊によって保障されるべきである。さらに言えば、かつてアイルランド大統領が述べたように、ガザにおける人道的状況を保障するため、直ちに国連から部隊を派遣するべきだ。」
クルトゥルムシュ議長は、イスラエルの蛮行がガザに留まらず、エルサレムやヨルダン川西岸地区でも治安部隊や略奪的入植者達を通じてパレスチナの人々に暴力を躊躇なく強め、土地の略奪、違法な破壊行為、入植地の建設を加速させてきたことに言及した。
同議長は、最近では極めてセンシティブな地域であるE1地区と知られる土地でも、エルサレム東部をヨルダン川西岸地区から切り離すのを目的に新たな違法入植地を作ると決定を下して、国際社会に大きな憤りを引き起こしたとして、以下のように語った。
「別の見方をすれば、イスラエル議会は国際法に背く形で、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を禁じ、ガザとヨルダン川西岸地区へ人道支援が届くのを妨げ、パレスチナの土地に手をつける法律を採択しており、パレスチナ併合を要求する複数の決定を下しているのである。端的に言えば、占領下に置いたパレスチナでのイスラエルのあらゆる行為は、国際法の明らかな侵害であり、戦争犯罪であり、ジェノサイドである」との評価を下した。
◾️「人々の連帯は、言語・宗教・人種・地域の違いを越えて、さらに声を上げている」
ジェノサイド主義者のネタニヤフ一派による無慈悲な活動に対して、世界中の人々の反発が日に日に強まり、大きくなっていることに注意を引いたクルトゥルムシュ議長は、次のように続けた。
「こうした人殺し達の一派に対して人々の連帯は、言語・宗教・人種・地域の隔てなく、さらに声を上げていて、世界のほぼ全ての国や主要都市で、シオニスト・イスラエルは怨嗟の声を受けている。それゆえに、ここまで沈黙を貫き、あるいは口実を作ってはイスラエルを支援してきた西側諸国の政府や議会でさえも、イスラエルに反感を示し始めた。西側の一部政府は来月パレスチナを承認するために準備を進めている。多数の西側諸国が、十分ではないもののイスラエルに対する制裁決議を採ろうとしているところだ。実質的に、我が国をはじめとしてアジアやアフリカ、ラテンアメリカ各国の政府が先駆的な役割を担っている。
世界各国の議会がイスラエルに対して効果的な制裁を加える方向で圧力を強め、声を上げており、反対意見は政治問題の要因にまでなっている。実際、この一例として、オランダ議会がイスラエルへの追加制裁を採択できなかったことを理由に、オランダの外務大臣と7人の大臣が連立政権から離脱し、オランダ国内は政治危機に向かったのだ。アメリカ連邦議会においても、イスラエルがガザで休戦を受け入れ、人道支援を妨げる政策に終止符を打つよう求める議員の数が増えている。アメリカ世論におけるイスラエル支持も、日を追うごとに減少している。」
この問題に関して据えるべき取り組みについてクルトゥルムシュ議長は、「イスラエルによるジェノサイドや併合政策に反対し、人々の連帯を支援する目的で、議会の場も含めて大規模かつ多角的な取り組みを増やし続けていかなくてはならない。ジェノサイド主義者のネタニヤフやその一派が国際分野においてさらに孤立するよう、我々は可能な限り手を尽くすべきである」と語った。
◾️「残念なことに、もはや議論だけでは立ち行かない」
トルコ大国民議会のクルトゥルムシュ議長は、このために同議会が重要な措置を講じてきたとし、トルコ大国民議会の全会一致の決議によって、イスラエルによるパレスチナでの大虐殺や、現地での武力行為を繰り返し強く非難したとした。同議長は、さらに次のように述べた。
「国際司法裁判所で、イスラエルがガザでジェノサイドを行ったとの嫌疑で南アフリカ共和国が提訴して開廷された裁判では、トルコも仲介する中で我が議会が積極的に貢献した。トルコ大国民議会は、昨年パレスチナのマフムード・アッバス議長を本会議に招き、パレスチナ政府の声を国際社会に伝えることに多大な貢献をした。我が国の議会は、エルサレム議会間プラットフォームを支援している。今年の4月には、トルコ大国民議会主導でイスタンブルで立ち上げられた『パレスチナを支援する議会グループ』は、組織レベルでパレスチナ裁判の国際闘争における先駆的組織の一つに名乗りを上げた。
2024年11月7日にブラジルで出席したG20サミットでは、『イスラエルの国連加盟国としての資格を議論するべき時だ』と私は発言した。だが残念なことに、もはや議論だけでは立ち行かない。我々の目の前で、民が女性、子供、年配者、若者が殺されている。餓死に追い込まれている。今日は、実効的な措置を直ちに講じ、イスラエルがジェノサイド政策から脱却・放棄するまでは、国連を含めたあらゆる国際組織への加盟資格を棚上げすることを提案し、国際組織に申し述べる。
トルコ大国民議会は、今後、あらゆる政治団体や全国会議員と共に、パレスチナの人々の正当な権利が擁護され、パレスチナ政府がさらに多くの国から承認され、二国間解決の展望が最後まで守られ、占領下パレスチナの地でイスラエルが行っているジェノサイドや植民地犯罪を停止させ、責任者らを法廷で裁く、これらに向けた国際的努力を先導し、貢献していくつもりである。今日の臨時本会議は、この歴史的責任を果たす上で疑いの余地なく必要なものである。
無辜で抑圧されたパレスチナの人々の当然の権利を訴えることは、私たちにとって、人道的、イスラム的、歴史的な責任である。パレスチナ裁判は、誰が何と言おうと、我々にとって、トルコにとって、我が国民にとって当事者的な裁判である。自由で主権的なパレスチナ政府が完全に築かれるまで、この闘争をトルコ大国民議会として支援し、導いていくことを、今一度ここに宣言する。」
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翻訳者:関口ひなた
記事ID:60714