シリア:ダマスカス大学でアラブ世界の芸術家らが参加する平和式典が開催

2025年09月01日付 その他 - シリア国営通信 紙

■ダマスカス大学で祝典「希望のシリア」開催…芸術と革命の記憶が交錯

【ダマスカス:シリア国営通信】

シリアおよびアラブ世界の芸術家たちが参加する祝典「希望のシリア」が、ダマスカス大学の講堂で開催された。式典には公式関係者や文化人が出席し、シリア革命の歩みを刻んだ場面と芸術的表現が交錯した。

子どもの苦難を描いたオペレッタ

主催は非営利法人「シリアの友ネットワーク」で、シャイン芸術制作・配給会社が後援した。式典では、シリア人監督ファイサル・バニー・マルジャ氏によるオペレッタ「まだ希望はある」が上映された。同監督は13年以上の不在を経て帰国した人物であり、過去には放逐された政権によって本人と家族が迫害された経験もある。

このオペレッタは大型スクリーンで上映され、アラブ世界の戦争、特にイドリブ県を筆頭とするシリアの苦痛と悲劇を映像化した。孤児、貧困、避難生活、教育の剥奪、女性の困難と就労機会の乏しさといった課題を描き、子ども合唱団とアラブの有名歌手(アサーラ、ルトフィー・ブーシュナーク、アリー・アブドゥッサッタール、ルーラー・サアド、ユスラー・マフヌーシュ、ムハンマド・バルーシー、ムハンマド・ミスバーフ、スナー・ユースフ、ムーサー・ムスタファー、マフディー・イラーキー、ミールナー・ワリード(敬称略)らが参加した。

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ムナー・ワースィフさんに「世界平和大使」の称号

続いて上映された映像は、シャイン社の代表取締役にして作家・監督でもあるラハフ・クライディーのナレーションのもと、ダマスカスの街や遺跡の映像を交えて国民的結束と反戦を訴える内容だった。

この席上で、世界人権機構のヤフヤー・ジュマイイル・シリア代表代理が、女優ムナー・ワースィフさんを「世界平和大使」に任命することを発表した。同氏は、ワースィフさんが60年を超える芸術と人道の歩みを刻んできたことを称え、彼女が2002年から国連親善大使を務めている事実や「ドラマ界の大樹」の異名を持つことを強調した。

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ワースィフさんは「祖国は傷を負っているが、癒やしには時間が必要だ。そして芸術は人々の苦しみを伝え、国民精神を強める有効な手段である」と語り、平和と安寧に満ちた未来を祈願した。

芸術と文化の力

ヒンド・カバワート社会問題労働大臣は、演目が子どもたちの苦しみに光を当て、支援の必要性を訴えたと評価し、シリアが廃墟から立ち直るためには大きな努力が必要だと述べた。

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ファイサル・バニー・マルジャ監督はシリア国営通信(サナ)に対し、自身が祖国に帰還することができた喜びを語り、「芸術は愛と平和のメッセージであり、国民を結束させる推進力である」と強調した。

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「シリアの友ネットワーク」の副代表を務めるルブナー・ビシャーラ博士は、文化には平和を築く力があると述べ、同財団が教育やエンパワーメントの分野で活動していることを紹介した。またカタール人歌手ムハンマド・バルーシー氏は「自由なシリアと楽観的な国民に感銘を受けた。芸術は希望を植えつけるための有効な手段である」と語った。

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同式典の締めくくりとして、ファイサル・バニー・マルジャ監督、ラハフ・クライディー氏、ムハンマド・バルーシー氏、ヒンド・カバワート大臣が表彰された。


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翻訳者:国際メディア情報センター
記事ID:60751