イスタンブル広域市捜査への反発デモ訴訟で新たな展開
2025年10月20日付 Cumhuriyet 紙
イスタンブル広域市エクレム・イマームオール市長とその関係者への捜査に次いで始まったサラチハーネ(注)・デモに関する裁判で注意を引く展開があった。何ケ月も続いた裁判の後、裁判所は初めて「罪の要素がない」と述べた。
イスタンブル広域市エクレム・イマームオール市長が拘束・逮捕された後に始まったサラチハーネ・デモに関し裁判が起こされ、その中で初めて無罪判決が下された。
イスタンブル広域市に向けた政治的強制捜査の延長と見られていたこの裁判で、イスタンブル第66初等刑事裁判所は、9人を容疑者とするこの裁判で全員に無罪判決を下した。
■警告は行われず、平和裡に去る
審理の中で容疑者たちは、2025年3月サラチハーネ広場で行われた集会に平和的な形で参加したと述べて、罪状を否認した。一人の容疑者は、「広場ではいかなる警告もなかった。数時間とどまった後、自分からその場を離れた。」と述べた。
別の一人はというと、「イマームオール市長を支持するため行進している集団を見て、参加した。過剰行為はなく、警察の干渉はなかった。」と述べた。容疑者の全員は憲法上の抗議権を行使し、犯罪の意識はなかったと強調した。
■検察は有罪を望み、裁判所は否決
共和国検察は、容疑者たちが「県の禁止と警察の解散警告にもかかわらず」その場にい続けたと主張し、有罪を請求した。しかし、裁判所は、この主張を支持する具体的な証拠はないと述べ、有罪の要素がないと判決を下した。判決では、「第2911号集会とデモ行進法第32条によると、負うべき罪を成していない。」と強調して、容疑者全員に無罪判決が下された。
■弁護士費用は国庫に
裁判所は、容疑者たちについて適用されていた司法管理措置を排除し、代理人を通じて裁判に参加していた容疑者たちにつき、3万トルコリラの弁護士費用が国庫から払われるという判決を下した。同判決ではさらに、勾留または自宅軟禁状態で時を過ごした容疑者たちに対して、賠償金を請求する権利に触れた。
■判例となる判決
サラチハーネ・デモに参加したとの理由で様々な裁判所で続いている数多の案件がある中 、少なくとも500人がこの案件で裁かれていることが知られている。今回の判決は、同種の裁判にとって判例となる性質を帯びている。
(注)サラチハーネは市庁舎がある場所の地名である。
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翻訳者:新井慧
記事ID:61034