シリア:ダマスカス国立博物館が国際無形文化遺産デーを祝福

2025年10月22日付 al-Watan 紙

■ダマスカス国立博物館が国際無形文化遺産デーを祝福

【ダマスカス:ムスアブ・アイユーブ】

ダマスカス国立博物館のホールでは、国際無形文化遺産デーに合わせて、無形文化遺産にスポットライトを当てる一連のイベントが開催された。会場には遺産担当文化副大臣のルナ・ラジャブ博士が出席し、芸術家ヒシャーム・キーラーニー氏に表彰状を授与することで、国家遺産の保護における彼の豊かな貢献を称賛した。

キーラーニー氏はこのイベントで、石のモザイクによる21点の芸術作品を出展し、天然石を生かした現代的・造形的な表現における自身の技量と力量を示した。

展覧会の開幕に続いて、石のモザイク技術を紹介するワークショップが開催され、応用美術工業学院の学生らや関心を持つ人々が参加した。参加者らは、モザイク作品の制作技法、石材の選定、切断、固定方法を学び、職人的な精密性と造形的な創造性を結び付けた統合的な作品を形成することを目指した

3回の講演

このイベントのプログラムには、3つの講演が含まれた。まず芸術家のワーイル・ダッハーン氏は「石のモザイク芸術」と題して、芸術的および技術的側面を取り上げ、モザイク画を静的な作品から、世界に広がりシリアの美を伝える生きた造形作品へと転化させる手法を示した。

続いて、ヤースィル・ユースフ氏とムハンマド・カーイド氏の両専門家が「シリアのモザイクの起源と発展、その修復方法」と題された講演を行い、彼らはその中で、紀元前4000年より紀元6世紀までの、シリアにおけるこの芸術の歴史と発達段階についての包括的な学術的講演を行った。

記者であり研究者のザイナ・シャフラー氏は「音楽の足跡をたどって」と題された講演を行い、レバント地方およびメソポタミア地方の民俗音楽を讃えた。これは、この地域における民俗音楽を記録・保存することを目的とするNGO「希望のための活動」のプロジェクトの一環として行われた。

無形の美

ラジャブ文化副大臣は『ワタン』への声明のなかで、無形遺産は文化遺産のなかでもっとも重要な基本的要素の一つであると説明した。その理由として、「いかなる遺産もある時期においては無形の遺産である」こと、そして「有形の遺産を生み出した知的活動それ自体がまさに無形の遺産といえる」ことを挙げた。

「したがって、方法・技術・様式・材料、あらゆる種類の遺産における作業の仕組みの発展は、最近生まれたものではなく、むしろこの国の文明と同じくらい古いものである。そして、最終的に私たちに物質的な美を与えることとなるこの無形の美という重要な成果に到達するために、経験・文明・科学・文化が蓄積されてきた」。

さらにラジャブ氏は、「関係機関が採用している記録作業は、建築や構築の芸術、そして多くの職人技に依拠しており、それらが科学的・文化的・物質的遺産を形作っている」とも説明した。

またラジャブ氏は、展示物には石製モザイクの分野で際立った人物である芸術家ヒシャーム・キーラーニー氏の作品が含まれており、彼はそれらを細密画の技法と小さなガラス片を用いて制作し、それを通して記録的な役割を果たすメッセージを創造したことに言及した。

さらにこう続けた。「私たちは彼による古いダマスカス建築の記録、そしてその庶民的な路地の記録、いくつかの伝統工芸のほか、彼の作品が担う、シリア全土を包括する寛容なメッセージがあることを目にした。さらに私たちは皆、キリスト教を象徴するイコンや、征服者サラーフッディーン・アイユービー像の具現化によって表現されたイスラーム史の偉大さを目にした。これこそが最終的には、単なるイベントにとどまらない文化的なメッセージなのである」。

模範的な手法

ヒシャーム・キーラーニー氏は『ワタン』に対し、20年間にわたってモザイク芸術を深化させ、自身のスタイルは美術アカデミーで教えられるほどの芸術となっていると明らかにした。さらに、自身の作品が小~中規模の個人作品として石片とガラス片で作られているため移動が容易であると述べ、多くの研究者や新聞が、この小さなガラスや石片を扱って見事なモザイク画を作り出す自身の独自の手法を称賛していると語った。


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翻訳者:田内香凜
記事ID:61044