ドイツ紙はメルツ訪問をどう報じたか

2025年10月31日付 Milliyet 紙

ドイツのメルツ首相は木曜、トルコでエルドアン大統領の歓待を受けた。この重要な訪問は世界のメディアで報じられた。詳細は次の通りだ・・・

ドイツのフリードリヒ・メルツ首相が木曜にトルコを訪問した。レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領がメルツ首相をベシテペの大統領府で歓待したこの訪問は、世界のメディアで大きく取り上げられた。

■「トルコは世界の大きなパワーの1つ」

ドイツのドイチュラントフンク紙は、この訪問について「エルドアン大統領への初訪問:メルツ首相、トルコと欧州のより深い協働を呼びかけ」という見出しで報じた。

記事では「メルツ首相はエルドアン大統領との会談で、トルコと欧州の協力をより強化する必要があると強調した。世界は強大なパワーが形成する新たな地政学の時代に差し掛かっている。トルコもそのパワーの1つだ。同時に、NATO同盟とEUにとっては外交・安全保障の鍵を握るアクターだ」と報じられた。

■「今再び友人になったのか?」

ビルト紙はこの訪問について「ドイツ人とトルコ人:今再び友人になったのか?」という見出しで記事を始めた。同紙はエルドアン・メルツ両氏が握手を交わす写真を掲載し「新しい始まりのための握手か?」と表現した。また、エルドアン大統領が記者会見でメルツ首相について「大切な友人」と評したことにも触れている。

フランクフルトを本拠とするFAZ紙は「アンカラでの首相:エルドアンからの逃げ道なし」という見出しを掲載した。記事には「ドイツはトルコを必要としている。メルツ首相が対話を再開したことは正しい歩みだ。トルコはグローバルな影響力を拡大し続けている。ガザ地区でのハマス、ロシアでのプーチン大統領に対するエルドアン氏の影響力は見過ごせない。そのため、トルコとの協力を余儀なくされている状態だ」と記載されている。

■「両国関係が一新」

ドイチェ・ヴェレ紙は「ドイツとトルコはガザについての意見の対立にも関わらず関係を一新させた」という見出しの記事で「トルコはEUとNATOにとって重要な協力国だ。フリードリヒ・メルツ首相はアンカラへの初の公式訪問で両国関係の深化を目指した。エルドアン大統領との間ではガザ地区の問題について意見の対立があったにも関わらず、両首脳は協働と相互利益を優先した」と報じた。

■「トルコはガザ地区で鍵となる役割」

オーストリアで刊行されているクリエル紙は「エルドアン・メルツ両氏、ガザ地区の戦闘について意見対立」との見出しを掲載した。記事では「エルドアン大統領はメルツ首相に対し、イスラエルがガザ地区で虐殺を行っていると述べた。トルコは2週間前のガザ地区での停戦発効における仲介で鍵となる役割を果たした」と報じられた。

■「これは虐殺だ」

この訪問はイスラエルのメディアでも大きく取り上げられた。テルアビブを本拠とするイスラエル・ハヨム紙は「エルドアン大統領からドイツ首相へ『これは虐殺だ。ドイツはこれを見ていないのか?』」という見出しを掲載した。記事には、メルツ首相が両国関係の強化のためトルコを訪れたが、ガザ地区の問題については記者会見で緊張が走ったとしたうえで「エルドアン大統領は、ドイツがガザ地区での虐殺を直視していないと述べた。しかしメルツ首相は、イスラエルへの支援を再度明らかにした」と記載されている。

■「トルコはまた一歩前進」

ギリシャのメディアは、メルツ首相の訪問によりトルコがユーロファイター・タイフーン戦闘機の購入に向け一歩前進したと評価した。アテネを本拠とするアルファニュースは「トルコはユーロファイターの購入に向け一歩前進した」という見出しの記事で「エルドアン大統領とスターマー首相が数日前に合意したユーロファイターの購入について、エルドアン大統領はドイツ首相から口頭ではあるが確約を受けたことで新たな段階に入った。ギリシャの懸念にもかかわらず、ドイツはトルコがこの軍用機を購入することに賛成した」と報じた。

■「我々を脅威に陥れた」

ギリシャのメディアのうちユーロポストは「ドイツのメルツ首相は、トルコによる最新型戦闘機ユーロファイター・タイフーンの購入を承認した後、エルドアン大統領と会談し我々を脅威に陥れるためアンカラへ向かった。ドイツとトルコの間に新たな防衛面での協力が生まれている」と報じた。

■何があったのか?

ドイツのメルツ首相はトルコへの重要な訪問を実現した。エルドアン大統領に出迎えられたメルツ首相は、歓迎式典で歓待された。会談の後、両首脳は記者会見を行った。エルドアン大統領は、ガザ地区でイスラエルが行っている虐殺を強調し「ハマスは爆弾や核兵器を持っていないが、イスラエルは持っている。イスラエルはこれらを使用し、昨日ガザ地区を攻撃した。ドイツはこれを見ていないのか。ロシア・ウクライナ戦争の終結を望むのと同様に、イスラエル・ガザ間の戦争についても終結を望んでいる。トルコとドイツはこれについて協力できる2つの重要な国々だ」と述べた。


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翻訳者:神谷亮平
記事ID:61090