ヌテラ危機、フェレロ社はトルコからヘーゼルナッツの購入を停止

2025年11月03日付 Medyescope 紙

霜、害虫、スカンクの被害が原因でトルコのヘーゼルナッツの生産が大幅に落ち込んだ。費用の増加に対して、ヌテラの生産者であるフェレロ社は、トルコからの購入を停止し、別の供給業者へ向かった。

トルコのヘーゼルナッツ生産者とヌテラの生産者であるイタリアの巨大企業フェレロ社との間で取引価格について緊張関係が生じた。

世界のヘーゼルナッツ生産の約70%を占め、輸出については75%を占めるトルコは、世界市場において圧倒的なリーダーとしての地位にある。フェレロ社はというと、世界中で生産されるヘーゼルナッツの約4分の1を購入している。

トルコで年間平均70万トンのヘーゼルナッツの収穫が行われ、この3分の1をフェレロ社が購入している。しかし、今年、生産が見込みを大幅に下回ったことは、市場でのバランスを変化させた。

ファイナンシャル・タイムズの情報によると、今年の春に発生した霜、その後の害虫とスカンクの被害は、収穫量の落ち込みの原因となった。ヘーゼルナッツ生産者協会[オルドゥ県]ウルベイ支部ジェミル・テミズ支部長は、「公式な推計は45万トンであるが、この数字が30万トンと越えるとは信じていない。」と述べた。

■価格は約2倍に上昇

生産量の減少は、価格に直接反映した。6月に1トン当たり9000ドルであった天然のヘーゼルナッツの実の価格は、先週1万8000ドルまで上昇した。フェレロ社はというと、この上昇に対してトルコからの購入を停止して、以前から生産を奨励していたチリとアメリカといった別の生産地に向かった。

フェレロ・ヘーゼルナッツ社マルコ・ボッタ代表取締役は、「今年は長期的な蓄えがあるので、私たちは焦ってはいない。」と述べた。

■待機競争

報道では、トルコにおける生産者と仲買人の間で「待機競争」が生じたと伝えられた。

ロンドンを本拠とする会社であるCGハッキング社ジャイルズ・ハッキング氏は、「トルコ国内の仲買人は、フェレロ社が再び購入をするだろうと見越して、購入したすべてのヘーゼルナッツを集めている。フェレロ社と長期の構えをとる商人の間で待機競争がある。この人々はまるでフェレロ社を人質に取ったような状態だ。」と述べた。

一部の生産者はフェレロ社が再び市場に参入すると考えて、商品を手元に置いているが、この状況は生産者と商人にとって不明瞭さを生み出している。

農業森林省農産物局は、今期のベース価格を20%上げたが、自由市場価格はこの水準を大幅に上回った。農産物局は、この問題に関する発表を行わない一方で、フェレロ社側は価格が下落するのを待っている。


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翻訳者:新井慧
記事ID:61097